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アレクの出発
”アレン”も”アレク”が行って、数時間後トーヤの用意した船に乗船した。
涙はまだ止まらない。
でもこれは”アレク”が望んだこと。
いい加減覚悟を決めた。
コンコンと控えめにアレクの部屋のドアを叩く音がした。
「どうぞ」
入ってきたのはアレクの様子を心配そうに見に来たトーヤだった。
「アレク、大丈夫かい?」
「うん。もう大丈夫だ」
「もうこの国に戻ってこられないかもしれないよ?」
「分かっている」
「覚悟は決まったんだね?」
「あぁ。そうじゃないとアレンに怒られてしまうからね」
「絶対に幸せにすると誓うよ」
「俺も君を幸せにするよう努力するよ」
ボォー、と船の警笛が鳴り、静かに二人を乗せた船が動きだした。
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