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───……  家族みんなが寝静まった、深夜三時。  物音ひとつしない静かな暗い部屋で、深い眠りからゆっくりと目覚めた。  ぼんやりしながら薄目を開くと、電気は消しているから真っ暗闇で、足許の方向にあるカーテンの隙間から、僅かな月明かりだけが差しこんでいる。  カチ、カチ、と枕元においてある時計の秒針の音が、やけに大きく聞こえた。  誰もいないはずの、自分の部屋。  だけど確かに、空気の流れがわずかに動いたような、無視できない違和感がある。  もう何度も同じような感覚になったことがあるから、すぐに理解した。  まだ覚醒しきらない頭で、カーテンから漏れる青白い月の光りをたどって目線を床におろす。  まっすぐにのびた光りの先に、自分ではない、明らかに人間の足が、見えた。  これは夢だ。  夢のなかで、俺は目が覚めたんだ。  ギシッ、と安物のベッドが軋んで、俺の身体まで少し揺れる。

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