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第3話
(…やっぱ、真葉のヤツ、その気だったんだろうか)
あの後、他愛もない話をして幸村は自分の部屋へと戻って行った。
光秀は寮の狭い風呂に浸かりながら、さっきのやり取りを思い出していた。
(…石黒がいる時に、ヤツに突っ込まれた事もあったが、…アレは不可抗力だよな)
光秀の誕生日祝いを三成が企画実行してくれたのだが、何故か幸村が途中参加で結局3人で致した。
その誕生日以外でも幸村がやっぱり何故かいて、3Pになった事がある。
(…だからと言って、石黒がいない所で真葉に襲われるわけにはいかねえ)
(…俺が付き合ってるのは石黒だからな。…それに好きなのも…)
光秀は湯船の中で主張をし始めてきた自身に触れる。弛く揺すってやると硬度が増していった。
「…は、…あ、…石 黒」
呟いた声は小さいが、風呂場なので意外と大きく響く。
「…はあはあっ。明紫波、大丈夫ですか?」
と、その時、急に風呂場の扉が開いたかと思うと、三成が荒い息のまま飛びこんで来た。
「な、なんだ、テメー!急に入ってくんじゃねえ」
湯船の中で見えなかったと思うが、三成を想って致そうとした事が恥ずかしく、つい怒鳴り付けてしまった光秀。
そんな光秀に気づかず、三成は光秀を抱きしめた。
「……良かったです」
「な、なにしてんだ。テメー!濡れてんじゃねえか、って、良かったって、なんだ?…論文はどうした?」
突然の三成の行動に焦る光秀。何とか三成を引き剥がし話を聞こうとするが離れない。
「……真葉が『明紫波、食うヨ』ってLINE送ってきて、…俺、焦って。…まさか、もう、食われた後では、ないですよね?」
「バッ、誰が食われるか!」
「…じゃあ、確かめさせて下さい」
抱きしめたままの三成が光秀の顔を覗きこむ。その真剣な目に光秀がためらいつつも応える。
「…すきにしろよ」
三成の唇が光秀の唇に触れる。
啄むように何度も触れていた唇が、首筋、鎖骨へと下りていく。
バスタブのフチに座らされた光秀。自分の前で膝立ちで愛撫を施していく三成にしがみつく。
「…はぁ、…あ、…ぁふ ん」
胸の飾りを口に含まれ、下肢の間で勃ち上がっていた自身に触れられ、光秀の口からは切ない吐息が零れる。
「…あ、…はぁ、…石黒、…もっ と」
「…貴方が請うなんて、めずらしいですね。…でもダメです。俺のモノで感じて貰わないと」
「…え、…あ」
三成は光秀自身に触れていた手をその下の蕾へと滑らせる。
ゆっくりとシワをなぞると、堅く閉じた蕾へと指を挿し込んでいく。
中は熱く、三成の指が往き来する度に絡みつくが、次第に湿り気を帯びていく。
三成が1度指を引き抜くと、物欲しそうにヒクつく蕾。指の本数を2本、3本と増やしていくのを嬉しそうに飲み込んでいった。
「…貴方のここ、指だけじゃ物足りないみたいですね」
「…な、…ちがっ、…ひっ」
光秀の中をバラバラに動いていた指が、イイトコロを掠め、光秀が反応する。
「…俺のが欲しいって、言って下さい」
「…な、誰が、そんな こと、…言うかよ」
照れた光秀は三成から視線を反らし、そっぽを向く。
「…じゃあ仕方ないですね」
言って三成は指を抜いてしまった。
急に中を刺激するモノがなくなり、喪失感で腰から下が疼いた。
「…なんで、石黒。…やめる なよ」
「…貴方が素直じゃないからですよ。…それとも、指でイキたいのですか?」
「…ちがっ、…指じゃ、…い やだ」
身体の疼きはどんどん増していく。だが、それを口にしなければ、欲しいモノは得られない。
「…ちゃんと言って下さい。…光秀」
三成の甘い囁きに、光秀の頭は飽和状態になった。
「…あ、…三成、…おまえが…ほしい。…おまえで、…俺を、…いっぱい、に、して」
頬を赤く染め、潤んだ瞳で請う光秀に、満足げに微笑む三成。
「…よく出来ました。ご褒美に貴方が欲しいモノを貴方が望むだけ差し上げます」
三成は光秀のこめかみにキスを落とすと、自身を光秀の中へと埋め込んだ。
腰から背筋を一気に快感がかけあがり光秀は堪らず背を仰け反らせた。
「…あ、あああぁ…」
「…は、あぁ、…貴方の中、最高です。…動きますよ。俺をいっぱい、感じて下さい」
そうして三成は光秀を揺さぶり始めた。
長い夜が、今から始まる…。
翌朝――。
「え?なんで石黒がいるんだヨ」
寮の簡易キッチンで、週一でふるまわれる政宗特製朝食。
それを食べに来た三成と光秀が、幸村に見つかり驚きの声を上げられる。
「…なんでって、貴方が不穏なメッセージを送ってきたからでしょう」
「…て、事は、お前らヤッたのかヨ?」
「………」
「………」
「…マジかヨ。くそっ。もう1度行けば良かったゼ」
と、幸村が昨夜の事を後悔している後ろで、ヒソヒソと話している声が聞こえてくる。
「……なあ、昨日の聞いたか?」
「…なんだよ?」
「…ある部屋から、喘ぎ声がしてきたんだってよ」
「…はあ?誰かが女を連れ込んだってのか?」
「…さあ?それは分かんねえけど、堪らなくそそられる声だったらしいぜ」
「…なんだそれ?聞いてみて~」
思わず顔を見合わせる三成と光秀。
気づけば同様の話し声が、そこかしこから聞こえて来た。
そんな中、真琴と秀吉が連れだって部屋に入ってくる。そして光秀達を見つけ近づいて来た。
「おはようさん~♪」
「…おはよう」
と、対称的な挨拶をする二人だが、光秀を見て秀吉が声をひそめる。
「…明紫波センセ、噂になってんで?…この寮、防音やないんやから、もっと声、抑えな…、丸聞こえやよ?」
秀吉達の心配そうな顔を見て、ぶわわっと赤面する光秀。
居たたまれなくなり、朝食も摂らずに自分の部屋へと逃げ帰った。
そして、今日中に退寮しよう、と固く心に決めた光秀だった…。
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