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初旅行―後編―

 キスの間に敬はゆっくりと俺を押し倒して潤滑剤を俺の後孔に塗りこめるようにして指を入れた。  くちゅくちゅと音を立てながら内部を慣らしていく。体温でジェルが蕩けて指の動きを助けた。 「あ。敬…早く、挿れて…」 「まだ充分じゃないが…」  敬が俺の様子を窺うようにして見る。でも、敬が欲しくてたまらない。 「大丈夫、もう、慣れた。」  敬はそれでも、中を広げるように指を動かした。しばらくの沈黙の後に指が抜かれた。敬はジェルを自分の雄に塗り込めた後、俺の後孔にあてがった。 「入れるぞ。力を抜いてくれ。」 「うん。来て。」  頷いて息を吐いて力を抜く。その隙に敬が入り込んだ。ゆっくりと熱いそれが入ってきて俺の身体が震えた。内部は熱く蕩けて敬の雄を締め付けた。慣らすように揺すりながら奥までゆっくりと挿入してくる。思わず背に縋るように両手で掻き抱いた。 「…あ…ッ…熱…、い…あッ…敬…」 「入ったぞ。全部。」  敬が耳元で低く囁く。ぞくっと背筋に震えが走った。俺自身がぴくっとはねた。出したばかりの俺の息子はたらたらとまた先走りを垂らした。敬はしばらく慣らす様に根本まで挿入したまま腰を押しつけた。 「うん。中にいる。敬が…いっぱい、出して欲しい…」  うっとりと敬を見つめると、敬の顔に余裕がなくなったようだった。 「動かすぞ?」  そう言って腰を引く。今度は勢い良く突き入れられて仰け反った。  腰骨が当たる音がして揺さぶられた。前立腺を擦られたようでキュッと内部が敬を締め付けた。俺自身もますます猛って間で揺れた。 「あ、イイ…もっと奥まで突いて…ッ…」 「こう、か?」  腰を持ち上げられて結合部が見える。体重をかけて奥まで思いっきり突き上げられた。ゆっくりした動きから段々と早いペースになる。その度に頭の中が白くなっていく。腰を合わせて揺らしてもっとと快感を求めた。 「…あッ…イイ、イイ…も、出る…出るよぅ…敬の凄い…凄い…あッ…あッ…」  キュッと内壁が締まりそのまま達した。敬もすぐ達して俺の中に注ぎ込んだ。 「…はっ…相変わらず、きつい…はぁ…」  俺の上に倒れ込んで敬に抱え込まれた。自然と敬の雄が抜ける。 「はあ…はあ…ん、すっごく気持ちよかった…」  敬は俺の顔をしばし見つめてからキスを落とした。 「俺もだ。隆史の中は熱くて蕩けて、きつくて最高に気持ちがいい…」  俺は真っ赤になって視線を泳がせた。敬の重みと体温が凄く気持ちよくて、中心が少し疼いた。 「汗を流そうか?せっかくだから、露天にも入らないとな。」  敬は俺をお姫様だっこしてシャワーブースへ連れていくと後ろに指を突っ込まれて敬の精液を掻きだされた。 「や、恥ずかしいってば…」  シャワーブースの壁面に縋りながら腰を突きだしてかき回されるとまた感じてしまう。 「指を締め付けてくるな…隆史のここはいやらしいな…」  シャワーが上から流れてくるから、汗と俺が出した精液はすべて流れてしまっている。でも俺の雄はもう半分勃ち上がっている。ガラスのシャワーブースが野外にいるような心許なさを俺に感じさせる。敬の手が前に回ってそっと握ってくる。 「なんだ?感じたのか?」 「……ッ…」  耳元で囁かれて一気に勃ち上がった。俺は敬の低音に弱い。耳元で囁かれるなんて本当にやばい。 「…ぁ…当たり前、…敬、に弄られてるん、だからぁ…」  思わず腰を揺らしてしまう。きゅきゅっと俺自身を扱かれた。背中にも唇を感じた。壁面に移り込む自分の顔と、敬の姿がエロい。雄を弄る敬の手がほんとにいやらしい。 「だめ、だな…すまんが突っ込むぞ?」 「え?あッ…」  いきなりズンっと突き込まれた。潤滑剤のあまりない状態で突っ込まれて息をつめた。でも、さっきの行為で慣らされているから痛みはなく咥えこんだ。 「は…敬。」  両手を壁面について支えて振り返る。 「誘うからだ。」 「も…人のせい?…あッ…」  容赦なく突き上げられて身体が前後に揺さぶられる。しばらくすると内部が馴染んで敬の雄を奥に誘うように絡みついて締め付けた。  俺の性器は絡み付いて扱く敬の手に、3度目だというのに先端から洪水を起こした。 「…ああっ…気持ち…イイ…あッ…あ…あ…ッ…」  俺はたまらず、腰を揺らしてもっとと押し付けた。  俺の節操なしの息子はもう限界とばかりに膨れ上がっていた。  俺の中にいる敬も、熱くて限界まで張りつめていた。雁や先端で前立腺を擦られる度に背筋が震えて足から力が抜けそうになった。パンパンと打ちつけられる音が響いて俺の頭の中から思考が抜ける。 「い、イくっ…イっちゃう…イくっ…あッ…あッ…あああーーーーッ…」  ひときわ強く突き上げられて足先が浮く。同時に強く自身を扱かれて俺は果てた。同時に敬も俺の奥に精を叩きつけるようにして果てて、俺は力が抜けた。繋がったまま、敬に抱かれて後ろを振り向かされてキスをした。  愛おしむキスにうっとりとした。  今度こそ綺麗にしてもらって露天風呂に入った。  木の縁に両手をついて夜空を見上げる。 「はあ…極楽…」 「なんだ?俺とのセックスより気持ちよさそうにしてないか?」 「そこ、比べるところじゃないから!」  思わず突っ込むと敬が笑った。 「いいね。部屋付き露天ぶろ、癖になりそう。」 「そうだな。隆史は大浴場禁止だからな。必然的にそうなるだろう。」  俺は思わず振り返ってじと目で見た。 「それってそもそも敬のせいだし。」 「仕方ないだろう。俺が独占したいんだからな。」  敬が手を伸ばして俺を後ろから抱きしめる。 「何度も言わせるな。好きな相手の裸を他人に見せる奴がいるか?」  俺は耳元で囁かれたそれに真っ赤になって顔を横に何度も振った。 「…わ、わかった…敬も、禁止だよ?」  耳元でくすりと笑った。 「わかった。俺は隆史の恋人だからな。」  ちゅ、と耳裏にキスをされてますます赤くなった。もうのぼせそうだ。  それからお湯を汚さない程度にいちゃいちゃして寝た。  朝食はちょっと遅めに頼んでくれてたので寝坊ができた。  二泊なのでゆっくりと近所の観光施設を回って早めに宿に戻ってゆっくりとした。  二戦してベッドに横になってお互いの顔を見ながらたわいもない話をする。 「明日はもう帰るのかあ…」 「なんだ?もっと居たかったか?」 「旅行の終わりってほら少しさびしくなるというか、惜しい気持ちになるでしょ?初めての旅行だし。俺はすごく楽しかったし。」 「俺もだ。また旅行しよう。今度はもっと遠出もしようか?」 「いいね!俺の休みが年末年始とGWとお盆しか連休取れないけどね…」 「まあ、俺も似たようなものだ。大きな旅行は老後でいいだろう?」 「老後…あ。貯金しないとな…」 「………」 「敬、そこで沈黙するのはやめて…」  敬は笑いながら俺を抱き込んだ。  しばらくしてお互いいつのまにか寝てしまった。  行きに乗った電車で戻ったのは敬の部屋。  お土産を整理する間もなく疲れて寝た。  次の日にはもう引っ越しで、俺は敬の同居人となった。  敬のスーパー家事スキルに慄きながら俺は恋人のいる幸せを噛みしめている。  敬と撮った写真は俺の今のスマホにしっかりと入っている。  鞄には買ったお守り。  俺の人生は充実している。

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