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第9話

「私にだったのですか?」  何を勘違いしたのだろう? ペアって言ってるのに。 「てっきり可愛いモノ好きの獅子尾さんとペアのを買ったのかと思いまして。てっきり見せつけてきてるのかと……嫉妬してしまいました。ごめんなさい」  うなだれる南雲さんに、僕はどうしたらいいのかわからず、あたふたしていた。  すると、南雲さんはベッドから立ち上がり何故か備えつけのキッチンのシンクへ向かうと、箱を空け二つのマグカップを洗っている。  そして、 「あ、あまい」 「ゆず茶です。冷えてるのも美味しいでしょう?」 「はい!」  さっきの殺伐とした雰囲気とは打って変わって、穏やかな空気が流れている。  よかった。しおっちに嫉妬してた?  だから昼間煽ったのかな? 南雲さんも子供っぽい。  クスリと笑いが出るとすかさずこれも渡した。 「いつも寝れないって言ってたから、備えつけのお風呂にしか使えないですけど、入浴剤です。お肌にもいいんですよこれ」 「そんな気遣いまで。ありがとうございます。早速使いますね。一緒に浸かりましょう?」  そういうと、制服を脱がされお風呂へ直行。結局、何回も甘い声を響かせられる羽目になった。。  お風呂だから自分の声が響くんだよぉ~。  

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