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第8話
寮に帰ると部屋には明かりがついていた。
結局、しおっちの腹の虫を収める為に、街へとでかけたのだった
。
それで、ご飯を頂いて来て、美味しかったなーとご満悦な僕。何かを忘れてる気がするけど。
(はぁ~このお土産喜んでくれるかなぁ?)
ドキドキを胸にいだきながら部屋のキーを回すと、
「ただいまです。遅くなりましたー」
「おかえりなさい。いつまで経っても帰ってこないから心配したんですよ?」
「ご飯を食べに街まで行って来たんですー」
なんか笑顔が怖い。
「そうですか。二人でゆっくりご飯を食べたかったのですが、これでは私が楽しみにしたのが間違いだったのですね……。そんなに獅子尾くんが良いんですか?」
え? え? どういう事?
僕は大混乱。
あ、そういえば、放課後に夕食を一緒にいただく予定だったんだった。しまった。
今、思い出した僕ななんて愚かなんだろう。
「ごめんなさい。ゆるし……んん……ちゅ、ん、れるれろんあ……んん」
「……寂しかったんですよ? 一人でずっと部屋でまっていたのですから」
キスをされた。
うんと甘いやつ。
「嬉しそうな顔をして、そんな顔をしても私の寂しさは!」
そういうとベッドに組み敷かれ制服の上から乳首を摘まれてしまう。
痛いのに感じちゃうから嫌だ。
「ん、ふぁ、ちゅ……ま、待ってください。これ……これを」
矢継ぎ早に深いキスをされるけれど、お土産。お土産渡さなくちゃ。
「待てませんよ。顔が誘ってます。可愛い顔がもっとしてって」
一生懸命になって、かばんからどうにかお土産を取り出す。そして、
「これ、可愛かったんでペアで買いました。こういうのはお嫌いですか?」
「ペア? 何の話です? あ、これは確かに可愛いマグカップですね。嫌いではないですけど……子供っぽいというか……これがなんですか?」
少ないお小遣いで買ったから気に入ってもらえなかったら悲しいけど。
「これ、僕可愛いモノ好きだから。折角だから一緒のマグカップ使いたくて……確かに幼いですよね。デザイン……なんでもないです。気にしないでください」
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