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第7話

「わらう――」 「南雲さん! 今日も眩しいほどカッコいいですよぅ~」 「僕の南雲さんだぞ?」 「は? 南雲さんは僕のだ」  にぎやかなお出ましだなぁ……少し妬ける。だけど、僕は抱かれたからね。いきなり! 「無駄な争いはしないでくださいね。みんな可愛いから笑っていたほうが良いですよ」  ッム。 「南雲さんに言われると嬉しいです!」  みんな口々に言う。  心の狭い僕はムスっとしてると。 「智くんじゃないですか。この間は勉強を教えてくれてありがとう。お礼の一つも言えてなかったから、今言えてよかったです」  途端に機嫌の良くなる僕。  単純? 「いえいえ、南雲さんのお役に立てたのなら良かったです。点数はどうでした?」 「どうせ赤点ギリギリだろ」  冷たく言い放つしおっちだけど。 まさか勉強したんだから赤点近い点数なんてありえないだろうと思ってた僕。『勉強はしないんです』と言ってたし。 「南雲さんを馬鹿にする気か! 南雲さんはいるだけで高貴なお方なんだぞ!」 「どうかねぇ?」  仲悪いのかなぁ? 「今回は四十点取れました。いつもよりよかったんですよ。智くんどうしたんですか? そんな驚いた顔をして」  四十点……? 簡単な問題だったのに。 「だろっ! 教えてもらっておいてそれはねーだろよぉー」 「そういう貴方も赤点組の一員じゃないですか。仲間でしょう?」  結構悔しそうにしているしおっち。 「頭がよく見える面なのに可哀想だわなぁ」  悔し紛れにつぶやくと聞き逃さなかった南雲さんが、 「ええ、顔だけは賢そうに見えるらしいそうですから、獅子尾さんよりいいですよ」 「何おう?」  僕は『ドードー』と手で微力ながら抑えていると、 「気に触りましたか。すみません。配慮不足で。じゃぁ智くん夕食は一緒に食べてくださいよ?」 「はーい」  嵐のような人だ。 「お前はどっちの味方なんだ!?」 「アハハハ……」  笑って済ますしかなかった。言ってしまったら身も蓋もないから。

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