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第6話
「……走るのがただ単にすきなだけだよ?」
微妙な間があった。なんだろう? 恋バナ? あ、でも男の園だし。違うか。
「憧れてた先輩がはいってたんだよっと。アイスもいっちゃおうかねぇ?」
「僕はもうお腹いっぱい」
そう言うと、『待ってて』と言ってそそくさアイスを買いに行くしおっち。
「塩バニラ美味しいよな」
「だねー」
美味しそうに食べてるもんだから僕も食べたくなってきてしまう。それを悟ったのか、
「あーん」
「あーん?」
『ほいっとな』と言い、僕の口へ運んでくれた。
「ん、うまー。ありがとう」
ニカッと笑うと、人の良さが際立つと言うか快男児だ。
「もう一口もらっとけ! ほい。あーん」
「あーん。やっぱり美味しい~。今度買おう」
満足した僕は食堂にある抹茶ラテを買って飲んでると、
頬を赤らめてもじもじしているしおっちがいる。
「どうしたのしおっち?」
「な、なんでもない」
目は口ほどに物を言うというか、なんでもぞもぞ?
「さっきのお返し」
そう言って僕が抹茶ラテを差し出すと、大切そうに飲む。
そんなに飲みたかったのか。
「うんまいなぁ~よくわかったな」
「あはは、目が語ってたからね」
その言葉を聞くと顔を赤らめる彼に僕はつい笑ってしまう。
こんな友達が欲しかった。嬉しい。再認識。
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