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第5話

「智~いたいた」 「あ、しおっち! どうしたの?」  病気になってから初めて仲良くしてくれた友達の獅子尾(ししお)吉成(よしなり)くん。獅子尾くんって呼んでたら、他人行儀だと指摘されたのだ。だからしおっちになった。  しっかり者で、みんなから愛される優しい人。  心の許せる友達なんて、ここ最近まで出来てなかったから嬉しい。  急激に仲良くなって、この僕が『しおっち』なんて親しげに呼ぶの、不思議。  それぐらい気のいい人で僕は気に入ってる。あ、好きだけど友達としての好きだよ? 「智、これから本屋さん行かないか? 後はパフェ食べに行こうぜ!」  甘いモノ好きってのと本好きってのが重なったのも仲良くなったのには紐付けされている。 「うーん、どっと疲れが出ちゃって。なんだかお外に出ないで甘いもの食べたいなって」 「お疲れさん! ここに入ったばっかだもんな。じゃぁ学食で杏仁豆腐食べるか! 本屋は今度でもいいしね」  僕の意向を聞いてくれる良き友。学校変えて良かったなぁって。  全寮制ってところで嫌な人達に会わなくて済みそうだからそうしたんだけど、結果よかったな。  しおっちに前の学校であったことを話すと、 「はぁ? 何その女。こわっ! 幻想崩れるなそれ。なんだか女って何考えてるかわかんねーわ。こうして男友達と話してるほうが性に合うよ」 「しおっちイケメンさんなんだから彼女いるかと思った」  僕は正直な感想を言うと、一瞬ぽかーんとした顔をしたと思ったら、いきなり目を輝かせて僕に聞いてくる。 「え? 俺ってイケメンなの? みんな可哀想っていうからてっきり……」  趣味が刺繍を縫ったり、マフラーを編む事だからだと思う。  過去の話を話せたのも、緊張をほぐしてくれる話題を出してくれたしおっちのおかげだけれど。 「俗にいうオトメンってやつじゃないかな?」 「あー趣味かぁ。オトメンねぇ。下も上も女だからかねぇ?」 「そうなんだ。でもなんでまた陸上部?」  鍛えている方だと思う。背丈はゆうに百八十センチ超えてるし、筋肉も無駄なくついてるし。  これで人形に名前をつけてるなんて知ったらびっくりはするけどそれも有りなんじゃないかなって思った。

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