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第36話
不意に布団の外に投げ出された部長が抗議の声を上げる。
「お前なぁ…、確かに昨日は俺が悪かったが、これはひどい仕打ちじゃないか…」
「あ、すみません。びっくりしちゃって…。って、昨日のこと覚えてるんですか?」
「っ」
部長が思い出したようにさらに顔を真っ赤にする。
嘘がつけないんだな、この人…
よく営業できるよな
「それは、その、本当に悪かった。気持ち悪かったよな…」
「いや、まぁ…」
何と返事したらよいか分からない。
気持ち悪かったら2回も出したりしないんだよな…
かといって、肯定するものでもない。
「あ、それより朝食の時間…」
「あ、そうだ!それでお前を起こそうとしていたんだ。もう朝食会場閉まるまで30分ないぞ」
「げっ、すみません!すぐ出れますんで」
「…ぐっ、腹が痛い」
「え?部長大丈夫ですか?」
「お前…、中出ししたな?」
「それは!部長が搾り取るから!」
「ぐっ…、自分で蒔いた種…。とりあえず、お前は朝食をとってこい」
「えっ、部長より先に食べるなんて出来ないです」
「いいから。これは部長命令だ」
「わ、わかりました」
俺を睨む顔色の悪い部長を置いて、俺は朝食をとった。
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