36 / 36

第36話

不意に布団の外に投げ出された部長が抗議の声を上げる。 「お前なぁ…、確かに昨日は俺が悪かったが、これはひどい仕打ちじゃないか…」 「あ、すみません。びっくりしちゃって…。って、昨日のこと覚えてるんですか?」 「っ」 部長が思い出したようにさらに顔を真っ赤にする。 嘘がつけないんだな、この人… よく営業できるよな 「それは、その、本当に悪かった。気持ち悪かったよな…」 「いや、まぁ…」 何と返事したらよいか分からない。 気持ち悪かったら2回も出したりしないんだよな… かといって、肯定するものでもない。 「あ、それより朝食の時間…」 「あ、そうだ!それでお前を起こそうとしていたんだ。もう朝食会場閉まるまで30分ないぞ」 「げっ、すみません!すぐ出れますんで」 「…ぐっ、腹が痛い」 「え?部長大丈夫ですか?」 「お前…、中出ししたな?」 「それは!部長が搾り取るから!」 「ぐっ…、自分で蒔いた種…。とりあえず、お前は朝食をとってこい」 「えっ、部長より先に食べるなんて出来ないです」 「いいから。これは部長命令だ」 「わ、わかりました」 俺を睨む顔色の悪い部長を置いて、俺は朝食をとった。

ともだちにシェアしよう!