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二
葉月と霜月が当主を務める今 邑 家本家の屋敷は、丘 の上の平らな土地に、川沿いの集落全体を見下ろすように建っている。
この辺り一帯の土地は全て、先祖代々今邑家のものである。
集落の者は皆、今邑家から田畑を借り、細々と日々を営んでいる。
一生今邑家に支配される運命を背負った閉鎖的な集落において、あずさは、今邑家分家の跡取り息子として生 を享 けた。だが分家と言っても名ばかりで、その実態は本家の奴隷である。
両親を数年前に流行 り病で亡くして以来、幼い弟達とわずかな使用人達を守ることが、あずさの人生の全てになった。なので本家から「弟達を奉公人として寄 越 すか、あずさ自身が出向くか」と迫られては、我が身を差し出す以外の選択肢がなかったのだ。
葉月と霜月はあずさより一つ二つ歳下である。
幼い頃初めて本家に挨拶に上がって以来、あずさの女のような美しさに下心を抱き、何かにつけて呼び出しては、下 卑 た視線と言動であずさを嬲 っていた。
先代当主である彼らの父は、あずさの両親と同じく流行り病に斃 れ鬼 籍 に入った。
母親は既におらず、冷酷な二人にとって、父親の死はむしろ好都合だったらしい。当主を継ぐやいなや、あずさを囲い者にするという先述の命令がもたらされたのである。
本家の屋敷に奉公人として迎えられてから、季節が一 巡 りした。
その間、あずさは屋敷の塀の内から一歩も外に出してもらえていない。
昼は下 女 と共に家事働きをし、夜はこうして、兄弟の夜 伽 の相手をさせられている。
「あふっ、あ、はっ、はあ……」
剛直が天を突くほどになった頃、ようやく霜月が唾液まみれの自身をあずさの口から引き抜いた。
だるい顎でぜえぜえと荒い息をつく。もちろんこれで終わりであるはずがなく、尻を向けるようすぐに指示が飛ぶ。
「ひゃんっ!」
裾 をまくられ、霜月の骨張った指が尻 孔 に予告もなく突っ込まれた。
一本が二本に、やがて三本揃えて柔らかな媚 肉 をかき回す指が、ぬちぬちと湿った音を立てる。
あずさのために兄弟が用意した油には、掻痒感を誘う混ぜ物がしてあった。ナカが濡らされていくにつれ、異物感の気持ち悪さは遠ざかり、ムズムズする疼 きが腰を支配していく。
「んっ、あっ、いやぁあんっ……」
木目に爪を立て、真っ赤な頬を押しつけて耐えるあずさの声が甘く蕩 ける。
小刻みに肉壁をこすられるのが堪らなく気持ちいい。掻 痒 感を快感に錯覚しているだけだと解っていても、高く突きだした尻の媚肉は男の指をきゅうきゅう食い締め、更なる刺激を求めてしまう。
「どうされたい? 言えよ」
わざと浅いところまで指を引いた霜月が、意地の悪い声で言う。
空洞となった奥がヒクヒク切なげに蠢 いて、あずさは堪 らず叫んだ。
「こ、こすって、ください……もっと太いので、はやくぅ……!」
「ハッ! すっかりメスになりやがって!」
急に指が引き抜かれる。
喪失感にひくついた窄 まりへ、霜月はすぐさま屹 立 した男根をあてがい、そのまま一気に押し入った。
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