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第1話

◇◇ ーーもうすぐ、一青の誕生日ね。 何が欲しい?何でも好きなもの、買ってあげるわよ。 本当に?じゃあぼく、ロボットがほしいな! あとね、せんしゃのおもちゃと、くるまと…。 ーー駄目よ、一青。 欲張ってはいけないわ。買ってあげるのは、一つだけ。 どうして? ーー前に、舌切り雀のお話を読んであげたことがあったでしょう?覚えてるかしら。 うん、おぼえてるよ。すずめさんからの、おんがえしのお話だよね。 ーーそう。雀からのもてなしの後、「大きな箱と小さな箱どちらがいいですか」、そう聞かれたお爺さんは、持って帰りやすい、小さな箱を選んだ。そこには沢山の金銀財宝が入っていたのね。でも、お婆さんは欲張って、大きな箱を選んだの。そうしたら、どうなったか覚えてる? たしか、虫さんとかこわいおばけが入っていたんだよ。 ーーそうよ。つまりこのお話は、欲張るとろくなことにならない、そう伝えたいの。一青だって、怖いお化けや虫に襲われたくはないでしょう? うん。ぼく、虫もおばけもいや。 ーーじゃあ、我慢できるわよね? うん。ぼく、ロボットだけにする。 ーーいい子ね。じゃあ明日、デパートへ一緒に買いに行きましょうね…。

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