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第1話

 何千世界を越えて、あなたをお慕い申し上げます。  朝焼けに濡れる涙を見つめて起きる朝は何度目だろうか。今日も気分は最悪だ。起床は世界で一番嫌いな行為に匹敵する。 何度か眠らなければいいのではないかと不眠になった。眠るのが怖いわけではない。起きたくない。その結果、体調が悪くなり無理やり眠る事となった。精魂尽き果てるまで動いた後に眠り、起きるときはあまり見ないあの光景。  どこか懐かしく、どこか悼ましく、どこか寂しく、なぜか判らないが焦燥感のようなものを感じる。その涙を拭いたい、その頬を包んで慰めたいと思うが叶うことはない。  ベッドの上でしばらく目をとじたまま深呼吸をする。朝日は登り、世界は明るい。あの光景に呑まれたままではないと自分に言い聞かせる。 「よし、おはよう」 自分以外いない部屋に挨拶をする。 いつからかの習慣。起きる合図にもなっている。 今日の予定を確認しながら朝食の準備をしながら聞き流すだけのニュース番組をつける。 世界のどこかで誰かが殺され、誰かが生まれる。どこか違う世界の話のようだ。

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