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プロローグ

上条の人間は全てにおいて完璧でなくてはならない。 それは絶対の条件で、息をするのと同じようにこなしてきたつもりだ。 容姿も、勉強も、運動も、全てにおいて優れていることが当たり前で、それをどんな努力で掴み取ったものだとしても誰も褒めてはくれなかった。 だってそれは当たり前のことだから。代々αの家系である上条家の人間として当たり前のことだったから。 それでも俺は死ぬ気で努力した。寝る間も惜しんで机にかじりついたし、陸上部でも人一倍努力した。 なのに。 なのに、どうして俺はこんなにも頑張っているのに誰も認めてくれない?その答えを知ったのは学校の血液検査の時だった。 俺は、はじめて自分が上条家に相応しくない存在だと気付いた。

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