16 / 18
第15話 記憶(13)
毎日、毎日レイは悪夢にうなされていた。毎朝顔を真っ青にして身体中を汗で濡らして起きてくる。何かの病気だろうか。治るものなのだろうか。あるいは、もしかしたら、呪いなのかもしれない。でも、レイにそんな気配は今のところしない。ならば、いったい何だというのか。
「 ぁっ。やあっ。」
ある日、さすがに心配で、レイが眠った後レイの寝室へと入った。でも、どうしてなんだ?どうしてレイは啼いているんだ?
「ふぅっ。ううっ。」
瞳から涙をぼろぼろと零しながら、時々嬌声を上げるレイをじっと見つめる。
「・・・・・・レイ、好きだよ。」
瞳から零れる涙を拭ってやってから、身体を震わせるレイに寄り添いひっそりと胸の奥を痛めた。
ともだちにシェアしよう!