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第16話 記憶(14)sideレイ

 最近、毎晩夢を見る。あの忌々しい記憶の夢を。肌にこびりついた感触がいつまでも離れてくれない。これではロウに心配をかけてしまう。 「はあ。」  どうやら神々は本当に僕という玩具を気に入っているようだ。もうここまで異常が続いたらもう確実だ。僕達は神々に視られている。そろそろ回収人を寄越されるかもしれない。 「っていうか、どうせ魔も天も地も自身でが創ったんだからまともに統治しろよ。」  いったい何を治められているんだろう僕は。 「そろそろ、離れ時かなあ。」  ロウが知識を得る環境も財産も作った。あとは、完全にここを溶かしてから探知のつけられている僕がここからいなくなったら、ロウは特に何の心配をすることもなく暮らしていける。好きなところに行ってもらえる。 「・・・準備を始めようかな。」  逃げて、逃げて、逃げるから、僕を追いかけてきてよ。そして、ロウへの興味を失えばいい。 「なるべく遅く来てよ、ミカエル。君、結構強いんだから。」  窓の外を見上げて、そっとそう呟いた。自室の扉の前に、愛しい愛しい悪魔の子がいるとも知らずに。

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