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第1話 未知の快楽(1)

 城の地下にある拷問部屋に、紅く長い髪に(はしばみ)色の瞳の、どこか少年の面影を残した美しい青年の忍びが捕らえられていた。  彼は白い(ふんどし)一つしか身に着けていないまま、天井梁から垂らされた鎖に頭上高く持ち上げられた両手を繋がれた格好で、目の前の男により今まさに拷訊(ごうじん)を受けようとしているところだった。 「素直にお前の名前と誰に雇われたかを喋れば痛い思いをせずにすむぞ? 綺麗な瑞華(ずいか)の身体にわざわざ醜いみみず腫れをつけることもないだろう?」  男が手にした鞭の柄を青年の腹から胸に、ツーッと移動させていく。 「……っ……」  そのこそばゆい感触に青年──緋月(ひづき)は、ぴくりと身体を揺らすが 「生憎と貴様に明かす名は持ってない。拷訊などするだけ無駄だ、とっとと殺せ」  忍びの里に生まれ生きてきた青年だ。とうに死ぬ覚悟は出来ている。  己と主君の両名(りょうな)を明かすことを頑なに拒み、キッ、ときつい眼差しで男を睨む。 「……俺は強情な奴は嫌いじゃない。そんな奴ほど堕とし甲斐があるからな」  青年の態度に、男は顔をにやりと淫笑を浮かべた。  ◆ ◆ ◆ 「やめ、ろ……、ぁ……くっ、そんなところ、触……るな」  男は、緋月の褌の上からクリュクリュと鈴口を弄る。 「喋る気になったか?」 「は……ぁっ、俺にだって……あ……ぅん……、矜持はある、んだ」 (主君の信頼を裏切るわけにはいかない)  うっすらと頬を上気させ息を乱しながらも、懸命に淫責に耐える。  既に先走りの汁で褌はグッショリ濡れているにもかかわらず、陥落しない緋月に 「まだ余裕があるか。それなら……」  男はそう言うと、彼が身に着けている唯一の布地を外した。 「何を、する気だ……やめろ……っ」  両手を拘束されたまま、口だけの抵抗など何の意味もなく、緋月は産まれたままの姿を男の視界に晒す。  外気に触れた青年の、染み一つない形のよい摩羅を見て男は言う。 「綺麗な桜色だ……。まだ女を知らないみたいだな。それどころか、自分で弄ったことも数えるほどしかないだろう?」 「……っ、余計なお世話だ!」 「図星か、判り易いな」  くっくっと笑い男は部屋の隅に行き、そこから小さな壺を持ってくる。  壺の蓋を取って中身を確かめると 「今からお前をオンナにする」  緋月の背後に回り、壺の中身を指で掬うと男はそれを陶器のような双丘のあいだに隠された秘処へ塗り込む。  ヌプリ……と、異物が入ってくる感触に緋月は怯え戦慄く。 「何を……っあ、やめ……ッ……やだっ」  自分の体内でもぞもぞと蠢くものが、人の指だと気付き青年は衝撃を受けた。  排泄以外に使ったことなどない尻孔に指を入れられて掻き回される恥辱に、彼は身体を捩り抵抗する。 「ゃ、やだ……やめろ……うご、かすな……っ」 「お前の尻孔に南蛮の秘薬を塗ってやった」  ズポッという淫音と共に男は緋月の体内から指を引き抜く。 「……南蛮の、秘薬……?」 「そうだ。じきに尻の中がジクジク疼いて、男のモノが欲しくてたまらなくなってくるだろう」  男はそう言って、青年の前に腰を下ろし 「俺はそれをただ待っていればいい」  ゴロリと横になる。 「ち、ちょっと待て、寝る前に教えろっ。その秘薬の効果を薄めるにはどうしたらいいんだ!?」  問いかける緋月に

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