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第1話 未知の快楽(2)

「簡単なことだ。男なら誰でも持ってる肉の棒から出る白い液を、尻孔に注いでもらえば治まる」  男はくつくつと笑いながら答えた。  緋月の顔から血の気が引く。 「……そんな……」 (それはつまり、男とまぐわい自分の体内に射精させろということじゃないか!?) 「ふざけるな! 俺は男だぞ!」 「だから、男のお前をオンナにしてやると先ほど言っただろう?」  ニヤニヤと笑う男は 「恨むなら強情過ぎた己を恨むんだな。薬など使われる前に喋っていれば良かったものを」  そう言うと腕枕をして目を閉じた。  ◆ ◆ ◆  どれくらいの時間(とき)が過ぎただろうか。 「ん……ん、ぁ……はぁ……っ、く」  喘ぎ混じりの苦しげな呼吸を繰り返す緋月。  モジモジと太股を擦り合わせる彼の男根は天に向いて勃ち上がり、鈴口から溢れ出ている我慢汁は竿を伝い根元の嚢までも濡らしていた。 「ぁふ…、ん……は……ッん」  呼吸をするたびに菊門が何かを求めてクパクパと開閉して、その奥の深い処がズクズクとした痒みを訴える。 「あ、あ……ッ……ん、ぅ」 (……痒い……お尻が、痒くてたまらない……)  無意識に腰が揺れる。 「そろそろ効いてきたみたいだな」  男が起き上がり緋月の前に立つ。 「……くそ……ったれ……」  精一杯の強がりで緋月は男を睨んだが、淫熱に潤んだ瞳では男の嗜虐心を煽る結果にしかならず 「いつまでそんな生意気な口を聞いていられるかな」  南天の実のように紅くプクリと尖った青年の両方の乳首を、男は指先で揉んだり摘まんだりして弄ぶ。 「ひ、あ……あっ……やめ……っ、んん」  その刺激にビクン、ビクンと身体を揺らして悶える緋月。 「乳首で感じることが出来るか? 秘薬の影響か、それともお前自身に素質があるのか、どちらだろうな。……試してみるとするか」  クッ……と口角を上げ厭らしい笑みを形づくると男は片方の乳首を口に含むと舌で、もう片方を指の腹でそれぞれ弄り始める。 「あぁ、っ……いゃ、ん……、だめ、ダメ……ッ」  湿った舌と乾いた指と、別々の快感が緋月の両方の胸からじわりと拡がる。 「ひぃ……ん、ぁ……あっ……あ、だめーー……ッ!」  びゅるっ、びゅるる!  他人により与えられるその淫靡な感覚にブルッと身を震わせ、青年は軽くイってしまった。 「はぁ……はぁ……ん、ぁ……あふ……っあ」  けれど彼の身体を侵食する淫熱は、おさまるどころか益々正常な思考と理性を奪い消し去る。 「ぁ、熱い……痒い……、はぁ、はぁ……、ん、あぁ」 「どうして欲しい?」 (俺の……──の孔を掻いて欲しい) 「ん、ふ……ッ、……は、ぁ」  思わず言ってしまいそうになるのを懸命に堪える緋月。 「言ってしまえば楽になれるぞ?」 「ぃ……、あ……嫌だ……、俺は、オンナになんか……ッ、なら、ない」  ふるふると首を左右に振り、堕ちることを拒む。 「本当に強情な奴だ。……ただ堕とすだけじゃなく俺のものにしたくなってくる」  ハフハフと乱れた呼吸をしている青年の口に、男は自分のそれを重ねる。 「んっ……は、……んん」  己の口腔に舌を入れて蹂躙していく男の顔を、緋月は大きく見開いた瞳で凝視する。  身体を焼く淫熱のことも忘れて……。  ◆ ◆ ◆  次に緋月がその熱を思い出したのは、男の手が己の尻たぶを揉んだ時だった。

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