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第1話 未知の快楽(3)

「あ、ぅんっ」  ビクンと身体を震わせる緋月。  つぷん……と、男の指が一本、彼の菊肛に挿入された。 「ゃだ……、指、入れるな……ッ、あん」 「薬を塗ってる時も思ったが、お前、かなりの名器だな」 「な……にが、だ?」 「お前の蜜壺が、だ」  男は「ほら」と、一気に指をもう二本増やして青年の体内をバラバラに動かし回る。 「ゃ……、嫌、だ……やめ、っ……あ、いやっ」  強烈な刺激に緋月の身体が揺れるたび、彼を縛っている鉄製の鎖がジャラジャラと音を鳴らす。 「判るか? 入口は指を逃がさないようキュウッと締め付けて、体内はうねるように指に絡み付いてくる」 「わ、判るわけ……ないだろ、そんなの……っ」 (細くて長くて……少しだけ筋張っている、こいつの指が……! 中で動いて……気持ち、いいなんて、こんなの……知らない!) 「やあッ、ン……ゆ、び……いや……っ、そんな、掻き回しちゃ……だめェ」  体内に入ったままの指を出たキュンキュン締め付けてながら、緋月は切なげに眉を寄せ、目尻に溢れんばかりの涙を溜め、淫らな熱に紅く染めた顔で言う。 「……ちゃんと強請るまで放っておくつもりだったんだが」  フッ……と、男は今までの厭らしい笑みではなく優しい笑みを浮かべて、青年の体内に入れた指を抜くと自分の逸物を外気に晒した。  そして片手で彼の片方の膝を抱え上げ、息づく秘蕾の入口に己の肉杭をあてがい一気に打ち込む。 「ひあアァん……ッ!」  ぎゅうっと男の身体に上げられたほうの足を絡ませる緋月。  そして、彼の体内でも肉壁がぎゅうっと男の肉棒に絡み付く。 「すごい締め付けてくる」 「あ……はぁ、……太いのが、俺の中、で、ドクドクって脈、打って……あ、ぁふ、ん、っあ……あちゅいよぅ」  舌足らずに言う、その愛らしい痴態に煽られる男。 「お前、可愛すぎ。……ミイラ取りがミイラになるとはまさにこのことだな」  男の男根がギリギリ雁首のところまで引き抜かれ、それから一気に根元まで挿入される。  それを何度も何度も、角度を変え速度を変え繰り返す。 「あ、あン……、だめ……気持ちい、の……怖い、っ……ぃや、あっ、あアーーッ!」  激しすぎる淫悦にぽろぽろと涙を零し啼く緋月の身体を男は征服した。 「決めた。お前を俺のものにする。もう離さないから、覚悟するんだな」 「んっ……、して。俺を……あんたのもの、に……してぇっ!」  悦楽の熱に蕩けた緋月は、このあと自分が男──玖狼(くろう)にそう言ったことを後悔する羽目になる。

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