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 性生活が気になるアキラも、理由は定かではないが聖南と同意見だった。  ケイタの反応や伝え聞くそれらのせいで、聖南は少数派なのだろうと今まで納得いかない心境であったが、実は自らの考えの者も結構居るのかもしれない。 「見てみろケイタ、俺の仲間が居たぞ」 「えぇ〜俺そっちの方が理解出来ないよ」 「セナがフェラされんの嫌いって事? ハルにもか?」 「そうなんだよ。 嫌いってか苦手。 こないだの俺の誕生日に、ご奉仕します!って言われたんだけどな、それは俺にとっては奉仕じゃねぇって拒否った」 「うわぁ……ハル君可愛いぃぃ〜〜っ♡」 「……ご奉仕……ハルがご奉仕……」  葉璃を殊更愛でている二人の反応は、それぞれ彼等らしかった。  机を叩いて悶えるケイタと、腕を組んで瞑想に入るアキラを順に見た聖南も、つい脳裏にあの夜の光景を思い浮かべてニヤついてしまう。  うっかり余計な事まで口走ってしまったが、今ここに顔面を真っ赤に染めてぷくっと頬を膨らませる可愛い恋人は居ない。  よって、聖南は調子に乗った。 「ご奉仕してもらえば良かったじゃん!」 「バカ、ハルにそんな事させらんねぇよ。 な、セナ」 「……いや、してもらった。 てか押し倒された」 「えぇ!? ハル君がセナを押し倒したの!?」 「…………セナもまんざらじゃなかったって事だな」 「微妙。 これについてはマジで微妙」 「んふんふ〜〜♡ そこんとこ詳しく教えて! 俺セナハルのR18話だけで四、五回は抜けちゃうよ!」 「俺らで抜くなよ!」 「セナハルで抜くな!」  以前からこの手の話になると食い付きが違うケイタは、いよいよ「抜ける」とまで言い始めていて危ない。  聖南と葉璃のセックスを思い浮かべて抜かれても気持ちがいいものではないので、聖南は腕時計を見てケイタを急かそうと、先程とは別の意味で机をトントンと叩いた。  ラジオでのメールチェックはケイタの役目なのだ。 もちろん本番中に全てのメールを読み上げる事は出来ないが、ケイタは仕事の合間やラジオ前のこの時間を使って届いたものには目を通している。  自身の突然のカミングアウトでケイタの気をそぞろにしてしまった聖南は、彼の意識変えをする責務があった。 「やべぇ、本番まで三十分だぞ。 ピックアップしねぇと」 「えぇぇ〜! 俺のこと生殺しにする気なの! あっ、ラジオでこれ議題にしようかっ?」 「いや無理だろ。 放送時間帯的にNGだ」 「アキラのケチ! 俺達と違ってセナは男性ファンも多いから色んな意見聞けそうなのにぃ」 「ラジオはその男連中と一緒に女子中高生もリスナーとして聴いてんだから、そんなダイレクトな議題持ち出せねぇよ。 個人的にはやりたいんだけどな」 「セナがやるとマスコミが騒ぐからやめとけ」  アキラの言う通り、恋人居ます宣言をした聖南がその話題を出すと「CROWNセナ、恋人との性生活を赤裸々告白!」などと低俗な見出しが女性雑誌に踊ってしまう。  どの媒体でも、聖南はどれだけ詮索されようがこの台詞で交わしているのだ。 『大事にしたいんでそっとしといて。 いくらでも惚気けてやっから』  これを言うと大体が「ごちそうさまです」と含み笑いし、別の話題に切り替えてくれる。  しつこく聞いて聖南の機嫌を損ねるより、自発的に惚気けてくれて情報を提供してもらえる方が記者等もありがたいのである。  なんと言っても、聖南の業界への影響力は半端ではない。 それは言わずもがなだ。  アキラは喉を潤しながらハガキと台本をチェックし、聖南の悶々が伝染したケイタはノートパソコンにかじりついて意識を逸らそうと努力している。  聖南はというと、眼鏡を掛けてアキラと同じくハガキを吟味した。  ファンの愛あるメッセージや悩み相談の文字を真剣に追っているにも関わらず、聖南の脳裏で二日前の葉璃がしきりに誘惑してくる。 『仕事中だぞ、葉璃。 聖南さんを煽るのはやめなさい』  そう心の中で叱咤しても、聖南の愛しい人はちっとも言う事を聞いてくれなかった。 … … … 「聖南さんの……おっきぃ……」 「……葉璃ちゃーん……」  聖南の胸を押した葉璃は、今日は譲らないとばかりに何の躊躇もなくファスナーを開くと、はしたなく膨らんだ聖南の下着に触れた。  そっと形や大きさを確かめるようにふにふにと揉まれては、「くっ…」と声が出てしまう。  帰宅してすぐにシャワーを済ませていて良かったと遠くで思いながら、いそいそと下着をずりおろしている葉璃を見下ろした。  しきりに葉璃が拘る、誕生日プレゼントなど要らない。  葉璃が共に祝ってくれるだけで、産まれてきて良かったと心の底から感動したというのに、半ば強引に咥えられるとは予想もしていなかった。  葉璃に口でしてもらう事にかなりの抵抗を感じる聖南は、これは決してプレゼントでも施しでもないと思った。  だがしかし、聖南の性器を両手で握って凝視している葉璃は、これ以上ないほどいやらしくて可愛い。  葉璃の髪を撫でてやりながら、鼻血の確認をしてみた。 まだ出ていない。 「……う、っ……ちょっ……」  油断していたところへ、葉璃に先端を舐められた。 それだけでなく、亀頭のくぼみを重点的に舌先でグリグリされた。 「あ、……またおっきくなった……」 「葉璃、……っ」 「気持ちいいとこ、教えてください」 「え……っ? んな事言われても……全部ヤバイ。 ヤバイって……葉璃、やっぱやめっ……」 「それじゃ分かんないですよ〜。 はむっ」 「……ッッ!」  片手で足りるほどしかしてもらっていないのに、回数を重ねるごとに葉璃は確実にうまくなっている。  抵抗もまったく無いらしく、迷いなく亀頭を咥えた唇は悪戯に舌を尖らせていて、口腔内で滲む先走りを舐め取るという教えた覚えのないテクニックを使った。 「……っ……!」 「へなはん、……」 「おいっ、喋るな……っ」 「………………」  大好きな葉璃の唇が、聖南の張り詰めたものを目一杯頬張っている。  両手は竿部分にきちんと添えられていて、時々甘く擦られる焦れったさに何度も腰が疼いた。

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