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 クローゼットからクリーニングしたてのポケットチーフを三枚手に取り、尻込みしてリビングを逃げ回る葉璃を追い掛けて捕まえた。  観念しろ、やだ!の追いかけっこは、聖南の歩幅に敵うはずもない葉璃が壁際に追い詰められてものの二分で終了する。 「こらこらー逃げても無駄だぞー、葉璃ちゃん」 「うぅっ……」  あっさりと肩に担がれた葉璃は、諦めきれないのか聖南の背中をポコポコと叩いてきた。  マッサージのようで気持ちがいいと言うと、背中の左肩で二つ折りになった葉璃がぷくっと頬を膨らませる。  そんな事をしても可愛いだけなので、聖南は葉璃をベッドに押し倒して馬乗りになり、これみよがしにポケットチーフをヒラヒラさせた。 「やだやだやだ! そ、それ何に使うんですか!」 「さぁ? 何だろうなぁ?」 「うぅぅっ……! 喘いでないのにーっ! 怒られる意味が分かんないですよ!」 「葉璃はそんなつもりなくても、俺以外の男を勃起させたら公開AVと一緒なんだよ」 「こ、公開、えーぶい……っ?」 「言い慣れてないのかわいい」  大きな瞳を吊り上げている葉璃は、小首を傾げて早くも聖南の怒りを削ぐ。  葉璃が相手だと怒りが持続しない。  この声と、悦楽に歪む表情を他人に見聞きさせたというだけで苛立っているのに、未だ葉璃は可愛く反抗してくる。  自分は悪くないという挑戦的な瞳にすぐに撃ち抜かれる聖南は、ひとまず膨れた頬にキスを落として唇を舐めた。 「んっ……」 「歯磨き粉の味がするー」 「ぅん、っ……んっ……ん、んっ……」 「唾液ちょうだい」  歯列を割ると、清涼感のあるミントの風味を感じ舌で歯を舐めていく。 聖南もたまに葉璃からこの口撃をされるので分かるが、ゾワゾワと背中が戦慄くのだ。  そして、震えが下半身にいく。  催促すると葉璃は少しだけ大きく口を開き、聖南が所望する唾液を奪いやすくしてくれた。   葉璃の体液が聖南の体内へと浸透していくと思うと、直ちに腰がムズムズし、性器が疼いてジッとしていられなくなる。  ぴちゃぴちゃと音を立ててキスをしつつ、聖南は葉璃の身体をまさぐった。  いつ触れてもサラサラな素肌は、聖南の大きな手のひらで撫で回される事をいつも素直に喜んでくれる。 「んんんっっ……!」 「……かわい。 触る前から乳首立ってる」 「んっ……んんぁっ……っ……!」 「エロい体になったよなぁ」 「……ん、ん、っ……!」  指の腹が小さな突起を見付け、両手で左右同時に攻め立てるがキスはやめてやらなかった。  お尻を左右に振って快楽から逃れようとする葉璃には、まだお仕置きが足りない。  乳首への刺激を中断し、葉璃の唾液を貪りながら放っていたポケットチーフを再び手中に忍ばせ、手探りで器用にそれを結んで良い長さを作る。  聖南は葉璃の嬌声が大好きだが、動画の中とダブるような声は上げさせたくない。  今日は我慢を覚えさせる。 二度と外で喘がないようにするためには、しばらくこのお仕置きは続けなくてはならないだろう。 「んむっ……っ……っ……!」  唇を離した聖南は、何分も呼吸を許してもらえなかった葉璃がホッとした表情を浮かべた瞬間、ポケットチーフを葉璃の口の中へと押し込み、ぐるりと後頭部へと巻き付け結んだ。 「こんな事したくねぇんだけど、明日のリハで声出なくなるとマズイからな」 「んん……っ………んんっ!」 「あと、二度と外で喘がないように特訓も兼ねてる。 一石二鳥、的な?」 「んっ……んっ……」  解かれないように葉璃の両手を頭上に追いやり、声ではなく言葉を奪った聖南はにんまりと微笑んだ。  いくら食べても太らない体質の葉璃だが、出会った頃より少しだけ筋肉がついた。  それは細い腕と薄い腹、太腿とふくらはぎにまんべんなくつき、前々からあった腰のくびれがさらに強調された。  このくびれが良くないんだよ、とぼやく聖南は、下着の上からもちっとしたお尻を揉みしだき、構ってもらえなくて寂しそうにしていた乳首を舌で転がす。  途端に葉璃の体がビクビクと揺れ、ポケットチーフの隙間から甘い吐息を漏らし始めた。 「敏感過ぎるのはどうしたらいいんだろ?」 「ん、ん、っ……っ……」 「ま、これは俺が目覚めさせたみたいなとこあるし、葉璃ちゃんのせいだけにするつもりはねぇからな」 「ふっ……っ……んっ……んっ……!」  執拗に乳首ばかりを攻めている聖南は、二つ目のお仕置きを実行しようとしていた。  いつもであれば全身を舐め上げながら挿入の準備をするところだが、それをしないのには理由がある。  葉璃もきっと、聖南の違和感に気付いている。 「かわい。 もっと泣いて、啼いて、葉璃……」 「んんっ……! んーっ、ん、んっ……!」 「俺だけの特権なんだ。 この体だけじゃない。 声も、俺だけのものなんだよ」 「……っ……ん、……っ」 「敏感過ぎる葉璃ちゃん、おっぱいだけでイけるかな?」 「んんっ!? ん、っ……んんーっっ」 「ちゅーだけでイけるんだから大丈夫だろ。 ところてんも同時イきも余裕だしな。 どうせならやってない事の方がいいじゃん? ……乳首責め、やろ」  その効果の程を知る聖南は、わざわざ葉璃の耳元で囁いてやった。  案の定、罠にかかったうさぎ状態の葉璃はぷるっと全身を震わせて足をクロスさせる。  先ほどから下着の中で性器が窮屈そうだが、脱がす事はしなかった。

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