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 膝頭で、下着がぷくっと盛り上がった箇所をいじめるように押した。  すると葉璃は困り顔で聖南を見る。  直接そこには触れてもらえない、宣言通り「乳首責め」を実行される、と嫌でも気付いたらしい瞳と目が合うと聖南は今さらドキドキした。  薄い胸元をオーバーに撫でくりまわし、顎から首筋にかけてを唇でじっとりと愛撫してゆく。  吐息混じりの控えめな嬌声がたまらなく卑猥に聞こえて、チラと覗き見た陵辱に近い姿に聖南の股間は窮屈になる一方だ。  そんな趣味はないはずなのだが、葉璃の泣き顔が大好物の聖南は「早く泣かないかな」と意地悪に思い、ただ確実に乳首を攻める。  あちこちに唇が這っても必ずそこに戻り、しつこく舌と歯先を駆使した。 チリッとした甘やかな刺激を与えた分だけ、葉璃は啼く。  間違いなく聖南が導いている声と反応が愛おし過ぎた。 このままでは、ついつい力が抜けて枕元に捕らえている葉璃の両手がするりと抜け出し、お仕置きが完遂されない。 「んっ……! ……っ……ん、……っ」 「潮吹きと腹責めとスカトロ、どれにしようか悩んだんだけど、それはまたいつかに取っとくわ」 「ん!? んーっ! んーっ!」 「あ、ちなみに腹責めは痛くないやつな。 下腹刺激するだけでドライでイけるらしいんだよ。 な、気持ちよさそうだろ?」 「んっ……? んっ……?」  言いながら試しにヘソの下辺りをポンポンと叩いてみる。 しかし葉璃の反応はいまいちだった。  もし噂で聞いた事が本当ならば、その時がきたら物凄く興奮しそうである。 ……葉璃ではなく、聖南が。 「……っ……んっ……んっ……」 「乳首腫れてきたな」 「んぅぅ……っっ」 「かわい。 葉璃ちゃん泣きそ? 泣いちゃう?」 「ん、ん、ん、っ……!」  衣装で見えないであろう位置に口付けて強く吸い上げる度に、葉璃は下半身をモゾモゾさせて小さく啼いた。  ツンと尖った小さな突起に息を吹きかけると、うるうるしていた瞳がギュッと瞑られて目尻から雫が零れ落ちる。  焦れったいのかもしれない。  直接的な性器への刺激は、たまに聖南の膝頭でグイッと押されるのみなのだ。 普段なら性急に射精を促され素早く絶頂へと駆け上がれる葉璃は、甚だもどかしくて涙を流していた。  けれどそれはもう間もなくだ。  下着に滲む先走りが、だんだんと面積を広げている。 手のひらと唇に翻弄され、さらには聖南の声からも性的な欲を感じ取る葉璃は誰の目にも敏感だった。 「んぅっ……んっ……ッ……」 「すげぇ染みてんな。 触ってほしい?」 「んっ、んっ……!」 「だーめ」 「…………っっ!」  眉を顰めて頷く葉璃に無情に笑って見せた聖南は、突起の先をチロチロと舐めて泣き顔を盗み見る。  言葉と両手の自由を奪われた葉璃の体は扇情的に薄く色付き、くびれた腰をゆらゆらさせて縋るように聖南を見ていた。 「あー……ちゅーしてぇ……」 「ん、ふっ……ぅぅん……っ……!」  ついついポケットチーフを噛ませた唇に目がいく。  舌を絡ませて、唾液を舐めたい。 呼吸をままならなくさせて、苦しそうに顔を歪める葉璃が見たい。  尽きない欲求はお仕置きの名のもと、聖南も我慢を強いられた。  甘噛みし過ぎて赤く腫れている彼の両方の乳首は、もはや聖南専用の甘い飴玉だ。 「うぅっ……っ……ん、っ……んっ……」  揺らめいていた腰の動きが早くなる。  直後、葉璃は膝を立てて足の指でシーツを掴み、捕らえた手首諸とも全身に力が入った。  聖南の舌と手のひらにも、一層想いがこもる。  ビクビクと下半身を震わせている葉璃のくびれに手を掛けたその時、一際高い嬌声が聖南の鼓膜と股間をゾクッとさせた。 「んんん───っ! んーっ! んぅぅぅ……っっ」  葉璃は不条理な仕打ちに泣きながら、一度も性器に触れられぬまま乳首の愛撫で射精した。  一度目のそれは量が多く、白い液体が下着から漏れ出てくる様がやけにエロい。  下着を脱がせなかったのはこのためであったが、聖南が思っていた以上に煽られて目が釘付けである。 「ん、……ん……ん……」  射精の余韻が長い。  細腰が微かに浮いたり沈んだりを繰り返し、下半身はまだ力んでいるようだった。 「……かわいー……。 なんでそんなかわいーの? 葉璃ちゃん、あんま強烈フェロモン出すなよ」 「ふぅっ……んぅ……んー……んー……」 「パンツ汚れちゃったなぁ。 気持ち悪い?」 「ん、ん、っ」 「でも今日はこのままヤッちゃうよー」 「…………っっ?」  虚ろな瞳にキスを落とした聖南は、舌で飴玉を転がしながら膝裏を持ち上げ、器用に下着をズラしぷりんとした真っ白なお尻だけを出す。  精液の染みた下着が、葉璃の性器に纏わりついたままなので相当に気持ち悪いのだろう。  腰をくねらせて「脱がせてほしい」と懇願されたが、聖南はそのお願いも聞いてやらなかった。  ローションボトルの先を孔に付きたて、中身を注いでいく。  強張った入り口を中指の腹で解していると、何やら鼻の奥がツンとしてきた。 「んぅーっ! んんっ……!」 「……なぁ、俺鼻血出てねぇ?」 「んーんっ」 「あ、そう? なんか分かんねぇけど俺すげぇ興奮してる……」  中指を挿入しつつ葉璃に問うと、余韻から覚めた葉璃がキツい瞳を聖南に向けて頭を振った。  葉璃を辱める事に喜びを見出してしまった聖南は、すでに本来の目的から逸れ始めている事に気が付かなかった。  他所で喘がないように我慢を覚えさせ、公開AVを曝した葉璃にプレイ混じりのお仕置きを兼ねたはずだ。  しかし聖南は、「もっと啼いて」と葉璃の耳元で何度も囁いた。  噛み締めたポケットチーフが、唾液でぐしょぐしょに濡れそぼるほど「啼け」と思った。

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