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いくら何でも、今日の現場はあり得ない。
彼氏として、旦那として、永久の恋人として、人生で二番目に見たくない光景だった。
葉璃が心を許すと、すぐに皆は油断をする。 その油断につけ込むように、葉璃の可愛さが気の緩みの合間を縫って襲いかかる。
決して最悪の事態だとは言い切れないが、ただ一つ言えるのは葉璃には嫉妬狂いの恋人が居るという事だ。
「んや……っ、聖南さん、……っ」
「お疲れ、葉璃ちゃん」
「へっ? あ、お、お、お疲れさま、です……んんっ」
ルイを叩き起こし、爆睡中だった葉璃を抱えて悶々としながら連れ帰った聖南は、早速凄まじいまでの嫉妬をぶつけていた。
帰宅後すぐにシャワーを浴びなければ気が済まない葉璃を思い、抱き上げたまま全裸に剥いて体を洗ってやり、ついでに閉じきった孔もとろとろに解した。
約四日ぶりの体を堪能できる事よりも、あのような仲睦まじい姿を見ると葉璃の心変わりが不安でたまらず、ルイの気持ちも疑った。
彼は聖南の怒りにはまったく気付かず、かと言って飄々としていたわけでもない。
『そろそろマジで俺がハルピン送りますて』
『いや要らねぇよ』
葉璃と過ごす時間が多いあまりに、顕著だったルイの態度軟化がここへきて聖南の焦りを生んでいる。
ただの妄想で葉璃に嫉妬をぶつけるのはいけない事だと分かっていながら、寝ぼけた葉璃の声にそそられた聖南の腰は止まらない。
「なに、っ? 何か、怒ってる……? あっ……」
連日の多忙により、疲れきった葉璃はバスルームで聖南に貫かれてようやく目を覚ました。
聖南が激昂した二人の添い寝に意味など無いと、この葉璃の様子を見ていれば分かる。
車内でCROWNのラジオを聞きながらウトウトした葉璃が、たまたま隣にあったルイの肩にこてんと頭を寄せた。 眠りに付いた葉璃は思わずこちらも眠気を誘われてしまうα波を放つので、同じく多忙なルイがそれにやられてしまった……というのもまぁまぁ理解してやれる。
だがこれに関して、聖南にとって過程はどうでもいい。
密着し、仲良しこよしで寄り添い合い、気のおけない仲なのを見せつけるように眠りこけ、あげくキーをロックして二人だけの世界に落ちていたあの光景は、聖南の嫉妬が怒りに変わる材料としては充分だった。
「怒ってねぇよぉ。 何で俺が怒るんだよぉ。 あーキレそう」
「もうキレてるよね!? あぁっ、やだ、っ、そこ……っ」
「あぁ? キレてねぇし。 普通だし。 ……なっ?」
「や、や、あ、あぁぁっ……っっ」
言動が伴わない聖南は、抱き上げた葉璃の体をぎゅっと抱いて腰を打つ。
しがみついて離れない葉璃の指先が、痕を残すほど聖南の肩に食い込んだ。
目の前で華奢な喉を逸らした葉璃は、目を覚ましたと同時に責め立てられて訳が分からないと涙を滲ませる。
「キレそうだって、言っただけ」
「な、に……? 何でそんなに怒って……んや……っ」
「久しぶりだからキツいな。 葉璃ちゃん、痛くねぇ? ちゃんと気持ちいい?」
「んっ……ん、きもちい、けど……っ」
「けど、何?」
「何で怒ってる、のか、おしえて、ほしい……」
下からゆるゆると突き上げていると、それに合わせて葉璃が絶え絶えにそう漏らす。
赤らんだ目元がうるうると潤み、こんな時まで最高に可愛い上目遣いで問う葉璃は、いつもいつもこうしてあっという間に聖南の怒りを削ぐ。
嫉妬に駆られた自身が恥ずかしいと、目を覚まさせてくれる。
あれが意図的であれば怒りのままに責め続けられるのだが、日々の色濃い疲労を目にしてきた聖南にはどうしたって葉璃をいたぶれなかった。
ひとつだけ、毎日確認している事が聞ければそれでいい。
「葉璃は誰のものだっけ?」
「え、っ? あっ、あぁ……っ!」
「即答しないとダメじゃん。 ほら、葉璃は誰のもの?」
「せ、せなさん……っ、せなさん……!」
「だよな。 ご褒美に奥いっぱい突いてやる」
「んぁっ……あ、んん───ッッ」
満足気にニヤと笑った聖南は、葉璃を床に降ろし、壁に手を付かせて後ろから思いっきり最奥を突いた。
ガクガクと膝が笑う、不安定な立ち姿にひどく興奮する。 聖南に愛されてきた賜物なのか、細くくびれた腰がいやらしくて最高だ。
力んだ内が蠢き、挿抜するごとにうねって聖南の動きを止めようとする。
それもまた葉璃の意思ではない。
「これ気持ちいーんだよな、葉璃ちゃん。 このまま中で回してやろうか」
「は、はぅっ……うう、っ……!」
「そんな締めてたら動けねぇじゃん。 お腹トントンしてやるから力抜いて」
「んんんーっ、んっ……とんとん、だめ……っ」
「何、これも気持ちいの?」
「ぅ、ん、……っ、きもちいっ」
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