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 動いてほしくてねだったわけじゃない。  聖南とのエッチは、回数よりも時間が気になる。俺の次の日の仕事がお昼からだったり、ゆっくりできる時の聖南は自分の睡眠時間を削ってでも長時間拘束してくるから。  好き、愛してる、の言葉と一緒に、体全体で想いを訴える聖南の深い愛情は、たまに受け止めきれないくらいだ。  同棲してからはそれが毎日だった。  でも夏に倒れて以来、自分を責めた聖南がそんなに無茶をする事も無くなって、毎日してた時と比べると確かに俺の体は調子がいい。  日を空けて、さらにエッチの前はお伺いを立ててくるようになった聖南は、たぶんめちゃくちゃ我慢してるんだろうけど。  だから、三日?四日?ぶりのエッチでこんなに聖南が余裕綽々なの……不思議だったんだ。  貫いて、しばらく動かないで俺を待っててくれる事はある。けど今日は……何だか違うみたい。 「このまま葉璃とずーっと繋がってたい」 「うん……? あっ、や……っ」  どれくらいそうしてたのかな。  全身が性感帯になった俺の体に、ちゅ、ちゅ、と何度もキスを落としてはギュッと抱き締めてくる聖南が、いきなり奥を突いた。  ぴたりとハマった聖南のものが、俺に馴染んで溶けてしまいそうだと思った矢先のそれに、ビクビクッと背中が仰け反る。 「こうやって擦ったら、気持ちいいって知ってるからさ。ついガツガツやっちまうんだけど。奥まで挿れて、葉璃とキスだけしてるのもいいなーとか思ったり」 「え……? 聖南さんが……? 動かないでいられるの……?」 「言ったな?」 「ひぁっ……! ご、ごめ……っ」  いけない……油断しちゃってた。  俺が素朴な疑問を口にすると、ニヤッと笑った聖南から数回内壁を擦られた。  とろとろに解れたそこから粘液の擦れる音がして、急に恥ずかしくなる。  中は温かくて、柔らかくなってて、聖南のものも馴染みきってたおかげで挿抜されるだけでひどく感じてしまう。  聖南にもそれがバレちゃってて、笑いながらほっぺたを撫でられた。  しかも少しだけ舌を出して、聖南流のキスの合図をしてくる。 「フッ……そりゃ無理だよ。こんなぎゅうぎゅう締め付けてきて、〝早く擦れ、気持ちよくしろ〟って中から俺を煽ってくんだぞ。無理に決まってんじゃん」 「ん、むっ……んっ!」 「葉璃ちゃん、好きだよ」 「ん……っ! んん……っ!」  好き……っ、俺も、好きだよ聖南……っ。  激しくピチャピチャと舌を絡ませて唾液を送り込んでくるから、言わせてはもらえないけど……。  背中を抱いてると、ゆっくりだけど挿抜してくる聖南の筋肉の動きを感じて、無性に照れた。  先端でぐちゅっと最奥を突かれる。きっと今、背筋や腕、肩に男らしい血管が浮いてやらしいんだ。  細身に見えた聖南が着痩せするタイプだと知って、やたらとドキドキしたあの日と同じ……いや今はもっと、心臓がキュッとなる。 「聖南さん……っ、ゆっくり動くの、俺ダメかも……あぁ……っ」  今日みたいに抜かれたり挿れられたりの動作がゆっくりじゃ、素早く腰を打ち付けられる事に慣れてしまった俺には、焦らされてる気がしてもどかしい。  これもまた、〝早く動いて〟って催促してるように聞こえちゃうかと思ったんだけど、訴えずにいられなかった。 「感じる?」 「ん、……っ? わ、分かんな……っ」 「あはは……っ、俺がいかに普段ガツガツしてるか、だよなぁ」 「せなさ……っ、笑わない、で……お腹にひびく、から……っ」 「響いてんのか。ゆっくり動いてるから振動も感じちゃうって?」 「ひぁっ……やだ、っ……せなさん! いじわる……っ」  やめてと言った事をいじめっ子みたいに繰り返し、俺の反応を見て楽しそうにするのはエッチの時だけだ。  じゅく、じゅくと音を響かせるように中を擦られ、聖南を睨んだその時ズルッと引き抜かれた。  またじわじわと入ってくる気なんでしょ、と身構えた俺の腰を、ニコッとアイドルスマイルを浮かべた聖南がガシッと掴む。  まさか……。 「今日試してみようと思った事あったんだけど、……やっぱ無理」 「あぁっ……! やっ……せなさ……っ、んぁっ、ぅ……っ、んっ……!」 「葉璃も無理だろ?」 「んや……っ……せな、……っ、せなさん……っ、ちょっ、……待って、……っダメ……っ」  俺の腰を掴んだ聖南の手のひらの力が、いつもと同じだった。  案の定、ガツガツと腰を振られ、俺は中をめいっぱい擦られる。ぱちゅっ、ぱちゅっ、と激しく肌をぶつけられて、聖南の肩にしがみついてるのがやっとになった。 「もどかしくて頭おかしくなりそうだって、顔に書いてたよ」 「そんな……っ! そんな顔、してま……あぁっ」 「てか、俺も堪え性ねぇよなー。葉璃の中が気持ち良すぎんのがいけないと思うー」 「いきなり……本領発揮するの、……っやめなよ……っ」 「タメ口〜♡ かわいー♡ よしよし、普段からもっとタメ口使えよ、葉璃ちゃん」

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