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 そもそも、なんで俺がこんなに聖南からガッツかれてるか……というと。  ハッキリ言って、今日一日俺はずっとムラムラしていた。  忙しさで誤魔化してたけど、体力回復のために横になった途端に聖南とアレコレする妄想をして、一人で悶えてたくらい。  それもこれも、昨日、不完全燃焼で寝ちゃったせいだ。  聖南はいつからか、セックスは三日おきだって決めた。他の誰でもなく俺のためにそう決めて、我慢してくれてる。  でも、たまにはいいじゃん。そのルール破ったって。  ガオーッと襲ってきたって、俺が「いいですよ」と一言言えばそそのかされたことに出来るじゃん。  それなのに聖南は昨日、そそのかされてくれなかった。  エッチしたかったな……とめずらしく悶々としながら眠っての、今日。  俺は一日中、聖南とのエッチのことばっか考えてた。でも聖南本人にそんなことは言えなくて、がんばって普段通りにしてたけど脳内はエッチなことまみれだった。  いつもはヘトヘトになる洗浄も、指を挿れられた瞬間〝この時を待ってた〟とばかりにすごく感じまくって、思いがけず聖南を笑顔にさせた。  そして、二人仲良く湯船に浸かってイチャついてた時。  ふと俺の脳裏に、ある疑問が浮かんだ。  水面を弾きながら聖南を振り返った俺は、色気が増し増しの恋人を見て思ったんだ。  〝俺ってエッチのとき……どんな顔してるんだろ〟  最中、聖南は「かわいー」としか言わないけど、そんなの俺は信じてない。聖南の目がおかしいとさえ思ってる。  美人な人ばっかりと関係を持ってきた聖南が、俺みたいなのとエッチしててよく萎えないな。……と、ネガティブ半分、ヤキモチ半分が頭の中をぐるぐるした。  仲直りしたとはいえ、ヤキモチ焼いちゃうのは自分じゃどうしようもなくて。これは〝不安〟っていうより、自分の卑屈さが原因のぐるぐる。  聖南に幻滅されないように、お肌のお手入れとか……聖南好みの顔になるようにプチ整形も考えるべき? いや俺の顔じゃプチでは収まらないな。とか、色々考えてるうちにヤキモチが派生して、どんどんとぐるぐる沼に嵌まり込んでいった。──と、次の瞬間。  〝自分の目で確かめてみたら?〟  俺の心の声を聞き逃さなかった聖南が意気揚々とこんなことを言って、今に至る。  濡れた体のまま洗面台に手をつくよう言われ、言う通りにした俺のお尻を……跪いた上機嫌な聖南が舐めまくったりもした。 『聖南さんっ! 俺お尻はヤダって……っ!』 『葉璃ちゃんは鏡で自分の顔見てなさい』 『聖南さん!! あっ……やだっ……お尻舐め、ないで……っ!』  ──そこから、果てしない羞恥プレイが続けられている。  そんなこんなでいよいよいじけた俺は、「葉璃、舌」と言われても弱々しく首を振って怒ってるぞアピールをした。  ほっぺたを膨らませて、聖南をキッと睨む。  これはあんまり効果が無いの分かってるんだけど、せめてもの抵抗だ。  キスでなんて……誤魔化されないもんっ。 「──んーっ! んんーっ!」 「フッ……葉璃ちゃん怒っちまったか」  やめてって言ってるのにやめてくれない。あと、見たくもないのに俺の散々な顔を無理やり見せてきた。あと、あと、お尻の穴に舌を突っ込んでメロメロしてきた。 「んんっ!」  こんなに怒ってるぞアピールしてるのに、グッと腰を押し付けてきた聖南にナカを拓かれる。下から突き上げられるようにされたから、その分つま先がピンと張った。 「んーっ! ん、んっー!」  悲しくもないのに、涙がほっぺたを伝う。ナカを拓かれる気持ちよさを、体は知ってるから……さっそく負けそうになった。  いいや、だめ。お尻を舐められた時、すでに一回負けちゃってるんだから!  俺だって怒るときは怒るんだ! 「ふんっ! ふんっ!」 「ごーめーんって」 「ふんっ!」 「なぁ、葉璃ちゃん。聖南さんが悪かった。謝るからさ……口開けて? ンなムッとしてたら、葉璃のかわいー舌食ってあげらんねぇじゃん」 「んーーっっ!!」  食べなくていいって言ってるのに!  しかもなんで、俺が食べられたがってることになってるの! そんなのおかしい! 「おーおー、葉璃ちゃん激おこなのナカからも伝わってくるな。痛ってぇ……」  俺がプンプンしてるのをモノで感じた聖南が、とりあえず顎は解放してくれた。すると支えを失った俺の体がガクン、と前のめりになる。 「んんっ!」  それに気づいた聖南は、すぐに俺の体を起こして支えてくれた。すっごくいじわるな顔で、怖いくらい綺麗に笑いながら……だけど。 「おっと……。体ふにゃふにゃじゃん、葉璃」 「ひっ、んあぁっ……!」  その時、態勢が変わったせいで自分のナカがぐにゅんとうねったのが分かった。  少し大きな声が出てしまって、ナカにいる聖南がビクッと反応する。ムクムクっとさらに太くなった気もした。  やばい……また拓かれる……っ。  聖南のモノは奥まで入ってない。だからなのか、俺が力んで聖南を締め付けるたびに気持ちいところを掠めて、下半身がゾクゾクした。 「葉璃が見たいって言ってたんだけどなー」 「んーんっ!」 「なんでそんなブチギレるかなー」 「んーんっ! んーんっ!」 「はいはい、分かったからあんま締めんな。キレるのはいいけど、イイとこ当たってんだろ? 一旦おとなしくしてな?」 「むぅぅーー!」  ずるい……! 聖南は顔も声もとんでもなくかっこいいから、もう負けた気になってくる……!  感じてるのもバレてるし……!  聖南はプンプン怒ってる俺を落ち着かせようと、後ろからぎゅっと抱きしめてきた。  そのときだ。サラッと手のひらで乳首を触られて、俺はまた声を上げながら聖南のモノを締めてしまった。 「フッ……。俺の勝ち♡」 「んんっ……!」  ……それを、聖南が見逃すはずもなくて。  喘いだ俺の口が開いたと同時に、グイッと顎を取られてあっという間に舌を食べられた。  それはそれはものすごいスピードで、俺にはとても目で追えないほどの、大袈裟に言うと……〝一瞬の出来事〟だった。

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