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声に覇気が戻ったと分かるや、聖南は自身の性器に葉璃の分身を塗りたくり、力一杯抱き締めて葉璃との惚気喧嘩を楽しむ。
「俺だったらどうなの? ん?」と顔を寄せると、このひと時だけは聖南にタメ口になる葉璃がカサついた唇を尖らせた。
「聖南さんはいっつも、イったかどうか……分かんないもん。かたいまんまだから……ずっと太くて、おっきぃし……」
「……うーん」
「わっ、ちょっ……! 聖南さんの、ビクって動いた! わぁすごい……いつ見てもおっきいなぁ……」
「……うーーん……」
素直に反応を示した聖南の性器を、葉璃がまじまじと興味深そうに見ている。
これを言わせたのは聖南だが、そこまで無邪気な発言をされると膨張率が限界突破してしまいそうだ。
葉璃は、全裸で聖南に抱かれているという自覚が無さすぎる。
「あのねぇ、葉璃ちゃん。あんま煽んないでくれる? 今日は挿れないって決めてんのよ、俺」
「えっ?」
「こういうのも新鮮でいいじゃんって思ってたとこなんだよ。それを平気でぶち壊してくんのやめてな?」
「な、なんかごめんなさい……?」
「謝んなくていいけど、かわいすぎて罪なの自覚してくれ」
「ん、むっ……」
何をどう言おうと、葉璃には伝わらない恨み節。聖南に謝罪をしつつふくれっ面を向けられるのは、恋人である葉璃だけだ。
細い体を抱き直し、尖った唇を啄むと、瞳を丸くして照れる葉璃に弱い聖南は、もどかしかった。
なぜ「今日は挿れない」などと豪語したんだろうと、自身の発言をひどく後悔する。
葉璃に触れられるのは気持ちがいい。だがこの表情と声を目の当たりし、小さな手で愛おしいものを包み込むように握られると一瞬で果ててしまいそうになる。
おまけに聖南の性器を物珍しげに見つめ、「大きくて太い」という男なら鼻血ものの感想と共に実況中継までされたとなると、覚えたての我慢などすぐさま欲望に覆い尽くされる。
「葉璃、……乳首舐めてい?」
「やっ……だ、め……」
「じゃあ噛むのは?」
「だめ……っ!」
「よし、舐める方だな」
自身の暴発を防ぐため、葉璃の二発目を道連れにしようとした聖南はさっそくとばかりに舌を出した。
いたずらっ子のように両目を細め、逃げ腰の葉璃をしっかりと抱き寄せる。そうして逃がさないようにして背中を丸めた聖南の目には、自らで育てた小さな突起しか映っていない。
ぺろ、と舌先で刺激するように舐めると、葉璃の体がピクピクと小刻みに跳ねた。
「あ、……あっ、せな、さん……っ」
可愛い嬌声に煽られた聖南は、舌のみならず唇を窄めて小さな実を啄んだ。
噛むのはどちらにも刺激が強いのでそうしたのだが、聖南の二の腕を掴んでいた葉璃の腰がふっと浮く。
「葉璃ちゃん気持ちいの? 腰ゆらゆらしてるぞー」
「ふぁ……っ、ぁあっ……やだっ……やだっ……」
聖南が舌を添える度、葉璃はいやいやと弱々しく首を振った。
出会った頃はほとんど色みの無かった葉璃の乳首が、聖南に愛されたことで徐々に桃色になってきている。平らな胸元にポツポツと成っているこれは、正真正銘聖南が育てた扇状的な実だ。
業界に対し〝ハルの前面裸体はいかなる場面でもNG〟としているのも、聖南の強い意向によるものである。
舐めても噛んでも喜ぶようになった乳首を、他の誰にも見せたくない。真っ白な肌に浮かんだそれは、どんなにその嗜好が無い者でも直ちに釘付けにしてしまう。
「葉璃、自分で触ってみ。元気になってるよ」
「や、……うそ……っ?」
「ホントー♡」
細い腰を抱いて乳首を舐めているだけなのだが、恥ずかしがって俯く葉璃の性器が順調に二発目の準備に入っていた。
聖南に言われ、おずおずと自身に手を伸ばす葉璃のことが可愛くて仕方がない。
首筋にキスを落とし、艶っぽい声で「葉璃ちゃんやらし」と囁くと、大きな瞳がみるみる潤んでいく。
むぅ、と口をへの字にして膨れた葉璃を、聖南はぎゅっと抱き寄せた。そして華奢な背中を意味深に撫でながら、ニヤリと笑う。
「このまま乳首だけでイってみる? 甘イキ余裕だろ、葉璃ちゃん」
「あぅっ……せなさん、……背中……なでるの、やめ……っ」
「あぁ、ゾクゾクする?」
「うん、……する……っ」
ツー……と背中を上下する聖南の指先に、葉璃はたまらないといった表情で身を捩った。
抱きついてきた葉璃を受け止めてやるも、背中をなぞる手は止めない。何しろ聖南は、これの良さを葉璃本人から知らしめられていた。
「セックスしてる時な、葉璃が俺のこと抱きしめてくれんじゃん。葉璃もこれ、たまにしてくれんだよ」
「えっ? 俺がっ?」
「そう。あれで毎回イきそうになる。この小さいお手手でな、俺の背中を撫でるんだよ。マジで即イキもんでゾクゾクすんの。爪立てられた方がまだいい」
「…………っ」
挿入されている側の葉璃は、聖南の体を必死でかき抱いて安心感を求めているだけなのかもしれないが、ピストンの合間に背中をなぞられる聖南はたまったものではない。
葉璃が無意識でそうしているからこそ何も言わずにいたけれど、実は背中にも性感帯があるのだと知った聖南は衝撃を受けた。それを葉璃にも味わってもらおうと、悪戯な笑みを溢したのだ。
「んっ、せなさ……っ、やだ、なんか……っ」
「ほらほら、余計なことは考えない。俺の舌と背中に集中してろ」
擦り寄って甘えてくる葉璃に、理性を掻き乱される。
聖南とのセックスに慣れてしまった葉璃も、どこか物足りないのかもしれない。小声で「ムズムズする」と溢しているが、自分のことを棚に上げている聖南には「どこが?」と尋ねる勇気など無かった。
「葉璃、頼むから煽んないで。ちょっと黙ってろ」
そもそも裸で抱き合っている時点で、理性など木端微塵に無くなってもおかしくない。それなのにローションを持ち込まなかった聖南の〝我慢〟は、着々と成長している。
それゆえ聖南に堪え性が無いのは、少しばかり葉璃が煽り属性であることと、聖南がドキッとするような迂闊な発言が多いことが原因だ。
「んやっ……、むりっ……だ、って……っ」
気を紛らわせようと、ツンと尖った乳首に集中すると、頭を抱きしめられて心臓が高鳴った。
まるで〝喘いじゃダメなの〟と曲解していそうな悲しげな「むり」にも、キュンとした。
「あ、いや、黙ってろってのは喘ぐなってことじゃなくて、あんま俺のムスコをいじめるようなことを言うなってことで……」
「んんっ……! んぁっ……あっ……せなさん……っ、くる……っ! イっちゃう……っ」
「だよな、俺も。俺もイきそう。葉璃……っ、握って。一緒にイこ」
「あ、っ……やっ……!」
葉璃の手を掴み、二人の性器を一緒くたに握らせる。その上に自身の手を重ね、乳首への愛撫は欠かさぬまま葉璃の手のひらごと夢中で扱いた。
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