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46❤︎最善策※

❤︎ 聖南 ❤︎  葉璃との行為は、毎回真新しく初々しいものである。  あまり褒められた事ではないが、聖南はその手の経験だけは豊富なはずなのだ。  しかし、葉璃を抱いているといつもいつも余裕を失くす。何もかも初めてのように心は落ち着かず、あげく歓喜に跳ね回り、愛する人をこれでもかと可愛がってしまう。 「……っ、せな、さん……も、だめ……っ」  弱々しくストップをかけてくる葉璃のおでこに、前髪が張り付いている。  汗で濡れたそれをかき上げてやると、二時間ほど前から薄くしか開かない目から涙が零れ落ちた。憂いと不満の入り混じった涙も、彼を貫いたままの聖南にはひどく愛おしく見える。  自身も全身に汗をかき、至るところに二人分の精液を纏わせているため、お世辞にも綺麗な状態とは言えない。だがこの生々しい匂いとベタつく感触が、聖南の興奮をより高めた。  葉璃を愛し始めて六時間以上が経っているのだが、気持ちと連動した性器は衰えを知らない。 「葉璃、もう足上がんない?」 「ん、くっ……うぅっ……んっ……」  葉璃はすでに、四度ほど意識を飛ばしている。それを許さない聖南によって覚醒を余儀なくされているので、ことごとく睡眠を奪われた葉璃の疲労度は相当なものだろう。  だからといって、聖南はやめてやれなかった。  気持ちいいから。まだ愛し足りないから。大好きだから。そんな言い訳を並べ、葉璃の後孔に容赦なく性器を突き立て、華奢な身体を揺さぶっている。 「んん……っ! はぅっ……」 「待て待て。俺支えとくから。こっち向いて」 「うぅ……っ! ん〜〜……っ」  襞を割った刹那、葉璃は首を振りながら体ごと左を向こうとした。  無理な体勢で体を捻ろうとしたせいで、濡れそぼった秘部からグチュグチュと艶めかしい音がする。  もはや葉璃は、自力で手足も動かせないほど疲労困憊の様子だ。  ならばと、聖南が葉璃の右足を抱え上げ、自身の肩に引っ掛けた。その方が、強烈な快感をもたらす最奥を貫ける。 「あっ……あぁっ……せ、なさん……っ! きもちいの、こわいって、言っ……」  葉璃が一段とよがる場所よりも、さらに奥があると知ったのは一年ほど前の事だ。  アナルセックス初心者である聖南も、はじめは知らなかった。  行き止まりとなる最奥がすべてだと信じて疑わなかった聖南は、先端の感覚によって何となくその先までいけると感じた。試しに、指一本分収まりきらなかった性器をねじ込んでみると、直角近く曲がった器官の入り口をこじ開ける形で挿入できる事に気が付いた。  ただでさえ狭い内壁をくぐり抜け、そこに到達した先端をごぷんとそこへ押し挿れるには、腰をやや回しながら探る必要がある。  はじめこそ痛がっていた葉璃も、回を重ねるごとに「痛い」から「苦しい」に、最近では「やだ」と首を振るようになった。 「ごめんな? 腰、……止まんねぇ……」 「う、っ!? んん……! やだっ! せな、さんっ……! ひぅぅっ……!」  葉璃の「やだ」は、気持ちいいの裏返し。ぐぷぐぷと突くごとに、小ぶりな性器からは尿に近いサラサラとした透明な液体を零す。  聖南は、無理矢理押し込んだ先端にちゅぷっと吸い付いてくる新しい感触の虜だった。そして葉璃も、おそらく強い快感を得ている。  精液が枯れるまで愛してしまった聖南に、下半身の感覚が無いと泣く葉璃は声にも覇気が無くなった。  帰宅から今まで、わずかな休憩を挟みながらも絶えず葉璃と繋がっている。そろそろマズイかと、聖南は髪をかき上げ明るんだ窓の方に視線をやった。  たっぷりと最奥を堪能し、自身五度目の射精に向けピストンを速くする。最中、葉璃の疲れきった顔を眺めていると無性にキスしたい衝動に駆られた。  半開きで力無く喘ぐ葉璃の舌を捉える間も、当然動きは止めない。彼の唾液を舐め取り、薄い胸を揉みながら狭い内壁を擦り上げていく。 「……っ、葉璃……っ」 「……ひぁっ……あっ……あっ……!」  くっ、と息を詰めた聖南は、急いで上体を起こした。射精のギリギリで性器を引き抜き、葉璃の性器や下腹にやや薄まった精液をかける。  先走りは致し方ないにしろ、今日の聖南は一度も中で達していない。明日の仕事に響いてはいけないという聖南なりの気遣いだったのだが、達する間際の速いストロークで葉璃はまたもや意識をなくし、気遣いは無駄に終わりそうである。 「葉璃ちゃん、起きて」 「ん、っ……」  疲れ果てた顔はしているが、スヤスヤと眠る寝顔でさえ可愛くてたまらない。  だが、卑猥な液体で汚された葉璃は視姦の対象だ。達したばかりだというのに、聖南の性器は懲りずにむくむくと復活する。  その瞳に自身を映してくれない寂しさから、聖南は三度葉璃を叩き起こした。 「葉璃ちゃん全身精液まみれだな」 「なっ……!? んっ、んっ……!」 「俺のと、葉璃ので、ベトベト」 「ひぁっ……うっ……んっ!」  たった今放った精液を、聖南は嬉しげに微笑んで葉璃の裸体に塗りたくった。 「葉璃……あと一回だけ……」  その指先は首筋から胸元へ移動し、乳首を掠める。聖南がまだ満足していない事を知らしめるような手つきに、朧気に啼いていた葉璃がパチッと瞳を瞬かせた。 「んっ……!? む、むり……! せなさん、俺もぉ……むりだってばぁ……っ」 「葉璃、はーる、こっち向いて」 「んやっ! んっ……あぅっ、や、やだっ! ちょっとだけでいいから……っ、寝かせて!」 「えー……」  そう言われても、聖南は約二時間後には出なくてはいけない。寝かせてやりたいのは山々だが、脳と性器が泣きの一回を望んでいる。  とはいえ葉璃にはもう、そのたった一回の体力も残っていない。  ここまで疲弊させてしまったのは聖南自身なので、折衷案を導き出した。  それは主に聖南寄りの、都合の良い案なのだが。 「分かった、じゃあこうしよ?」 「えっ、ちょっ……んぁっ……! ぅわわ、っ……」  ころんと葉璃の体をうつ伏せにした聖南は、彼の太ももに乗り上げるや恐ろしいほどに萎えない自身を握った。  弾力のあるモチモチとしたお尻に、性器をペチペチとあてて悪戯を仕掛けると、無抵抗の葉璃は枕に顔を埋めて「むぅ」と小さく鳴いた。 「これだったら葉璃も疲れねぇだろ?」 「せなさん〜……っ」 「あと一回だけ、な?」 「もぉ……」  すでにたっぷりと葉璃を疲れさせた張本人の台詞とは思えない。  聖南に甘い葉璃は案を呑んでくれると、はじめから分かっていた。  掠れた声で「最後だからね」と気安く窘められた聖南は、満面の笑みを浮かべ葉璃に覆い被さる。  ── これで最後だ、最後。約束は守る。  握った性器の強度的に〝これで最後〟は無理かもしれないが、可愛く窘めてくれるうちにやめておかねば葉璃から嫌われてしまう。  ── 時すでに遅しでないといいけど……。

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