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拉致(4)
「そう。お前は今夜一晩、此処にいる男達の誰かに買われるんだよ」
「……!」
突き付けられた言葉に愕然となる僕。その僕のドレスの裾を白龍は捲り上げる。
「あっ」
「どうやら薬が効いているようだね」
大きく天を向いている僕の性器。その蜜口から止めどなく溢れてくる先走りで、濡れて光っている。
「……っ……」
淫靡な自分の姿が恥ずかしくて、躰中が朱に染まる。
「さぁ、パーティーを始めようか」
白龍の言葉と共に、僕の座る椅子がステージの中央まで移動する。
「嫌……っ」
懸命に手足の戒めを外そうとするが、きつく縛られたそれは僕の皮膚に食い込むだけ。
会場内の明かりが消えて、ステージの僕にスポットライトが当たる。
「ようこそ、ゲストの皆さん。今宵の商品はこの少年です。どうぞご覧ください」
司会を務める男性がそう言って、手にした小型カメラで濡れて光る僕の雄の証を撮る。
すると、四方のスクリーンにそれが映し出されて、場内にどよめきが上がった。
「やっ、撮らないで……、いやぁッ」
「後ろも見せろ」
会場の一角から声が上がり、了解しましたと司会者が片手で僕の秘蕾を拡げると、冷たい外気が熱く蕩けた僕の中に入り込むのを感じた。
「ひぁン」
そして彼は、もう一方の手で小型カメラを其処に近付ける。
「ゃ……やめて……い、やぁ」
いやいやと、僕は首を横に振る。
「ご覧ください。綺麗な桜色です」
スクリーンに映し出される、僕の秘めやかな場所。薬の影響で中がヒクヒクと蠢いていた。
「可愛らしい孔ですね。何かを挿れて欲しくてヒクついているようです」
僕の痴態を嘲笑うかのように司会者が言う。
会場に忍び笑いが洩れた。
「お願い……見ない……でっ」
見られている。
大勢の男達に。
恥ずかしくて、悔しくて、悲しくて、ぽろぽろと涙が零れ落ちる。
「具合を確かめさせてくれ」
「構いません。此方へどうぞ」
司会者が声の主をステージへと招いた。
「……ゃ……来、ないで……ぇ」
見られているだけでも恥ずかしいのに、その上見知らぬ男に中を弄られるなんて。
男が僕の傍に近付いて来る。
「来ないで……触ら、ないでっ」
男の右手が僕に伸びてくる。
これ以上辱しめを受けるくらいなら、いっそのこと舌を噛んで死んでしまおうと覚悟を決めた。
その僕の耳に届いたのは
「水月……。もう、大丈夫だ」
誰より愛しい人の声。
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