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宇宙
『朝日陽太 、18歳……ゆーたんのにぃにぃですよ〜』
爽やかな笑顔を見せた後、どこから出したのかわからないカメラで僕を撮ったようちゃんを思い出す。
今は長く続く階段から転げ落ちないように、手を握って左隣にいてくれている。
右隣には真昼がいて、前には夜彦がいてくれて、僕は王子様みたいだ。
どのくらいまできたのかと後ろを振り返ると、ピンク、白、オレンジ、緑の四角形が浮いているように見えた。
「不思議……ブロックみたいだ」
なんか違う表現な気がしたけど、とにかく感動を伝えたくて言ってみる。
「コンセプトは宇宙らしいよ」
優しく諭すようにようちゃんは教えてくれた。
「宇宙……ってなに?」
僕は初めて聞いた言葉だったから首を傾げる。
「ぼくらは‘‘ちきゅう’’っていうほしにいるんだけど、そのまわりには‘‘かせい’’とか‘‘もくせい’’とか‘‘たいよう’’とか、たくさんほしがあつまってるんだ……それを‘‘うちゅう’’っていうんだよ」
今度は真昼ふわふわの口調で鼻を高くして教えてくれた。
「わからないことはトトとカカに聞くとよろしいでございますよ。お二人とも、宇宙の専門家でございますから」
おほほほと自慢気に笑う夜彦にここもすごい家なんだと驚く。
でも、3人ともいい人達だから、信じてみることにしたんだ。
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