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似とるわ

「夕馬……もしかして人間か?」 赤いマントを被せながら深みのある低い声で言われて、ドキッとした僕。 「人間臭いからもしやと思ったんや。大丈夫、わしも市知も同じやから」 ポンポンと頭を叩いて優しく微笑むトワさんにうんと素直に言うと、ええ子やとさらりと撫でられた。 「それにしても自分ら、よう似とるわ」 「「ほくろ?」」 トワさんの言葉への反応が同じで、僕は恥ずかしいなって顔が熱い。 いや、と言ったトワさんは僕の顔を両手で上から下になぞり、また上に持ってきた。 「二重でくりくりした瞳」 目を押さえられる僕。 「尖ったような高い鼻」 ふにふにされる僕の鼻。 「下が厚い唇」 摘まれて伸ばされ、離したらぷるんと震える僕の唇。 鏡でまじまじと見てみると、悪い顔はしてないなと僕は初めて思った。 言われて気づいたのは、トトとカカの特徴も僕は持っているんだということ。 それが本当なら、僕は2人の子どもだと見られるんだとわかって嬉しくなった。 「拾ってきたと聞いたけど、あの肝っ玉母ちゃんが無意識に産んだんちゃうか?」 トワくんがお世辞かもしれないけど、嬉しいことを言ってくれて心が温かくなる。 「カカならありえるかも」 ようちゃんも嬉しそうに笑っている。 「それならあとは髪型と髪色やな……心配すんな、ちゃんと変えてやるわ」 トワくんはまた目尻に皺を寄せて笑い、髪をスパスパと切っていく。 パサパサと軽くなっていくたびに、本当に変わっていっている感じがした。 さよなら、淋しい1人の僕。

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