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ムチムチ

『この街の奴らはちゃんとわかってんねん……目に見えないものの方が大事なんやって』 あれから半月経ったのに、意識が浮上した時に思い出すトワさんの言葉。 『俺らが生きてきた世界とは全く違う楽園みたいな場所や……たくさん学んで、自由に生きろ』 ふっと笑うトワさんの顔は達観していて、とてもカッコ良かったんだ。 「黄金色に映える君の髪を見た僕の心は業火の炎で焼き尽くされそうだ」 難しそうな表現をするすると語るのを聞いて、今日が始まるなとわかる。 「さらりと撫でると君の愛の粒がほろほろと落ちてきて僕に降りかかる。もったいないと思う僕は君を包むのだ」 ムチムチの身体に包まれ、温かくなる。 放っておくと長くなるから、パチっと目を覚ます。 「おはようございます、愛しい夕馬よ」 二重のつり目が細められ、小高く盛り上がった頬をほんのり赤らめた夜彦の顔が僕の視界全部を覆う。 「今日も小説の一節、素敵だったよ?」 「君を見ているだけで溢れ出てくるのでございます」 満足した夜彦は右頬と左頬にキスを落として、僕を胸に抱え込む。 裸だからぷにぷにの胸とお腹に直に触れて、ほかほかの温かさにまた眠りそうになる。 僕はなんか反抗したくなって手探りで乳首に辿り着き、ピンっと跳ねた。 「アアッ……」 掠れた高い声を出す夜彦にやっぱΩなんだなって納得して、面白くなってきた。 乳首の形を確かめるように柔らかく摘む。 「やっ、アッ……もぉ」 気持ち良い声を出す夜彦にちょっと変な気持ちを抱いた。

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