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真昼の肉体美と万生くん
「ええわぁ、もっとやりぃや」
クククッと意地悪な笑い声が聞こえてきたから僕は顔を上げた。
まず見えたのはそそり立ち、今にも破裂しそうなくらいに膨れ上がったちんこ。
次に見えたのは6つに割れた腹筋。
そして、白いキャンバスを持った腕の筋肉はラクダのこぶのように盛り上がっていた。
最後に見えたのは大きい前歯を見せて笑う黒縁メガネを掛けた大人と子どもの間みたいな顔。
真昼もいつも何故か裸なんだ。
「やり方わからないんなら、ぼくぅが教えたるわぁ」
ニヤッと笑った真昼が顔を近づけてくる。
あと数センチで……ってところでドアが開くのもいつも通り。
「ゆーたん、ごは〜ん! ってああっ!」
ドカドカと部屋に入ってきて2人の頭を叩くようちゃん。
「ダメって言ってるでしょ!」
「ぼくぅ、なにもしてへんし……まだぁ」
「わたくしもですよ」
3人がやんややんやと騒ぐのもいつも通り。
このひと時で僕の朝が始まるんだ。
下に降りてようちゃんが作ったご飯を僕は食べ、みんなはトマトジュースを飲む。
半月後にオーロラが見れるとトトが教えてくれたから、みんなで見ようと約束したんだ。
それから、夕凪万生 くんの家に行って、勉強する。
万生くんは同い年だし、同じ金髪だからすぐに仲良くなったダンピール。
かなりの勉強家でこの街のことも僕がいた日本のことを知っているすごい人なんだ。
「将来は学者か建築士になるんだ」
整った顔で夢を語る万生くんに負けないように僕も色んなことを知ろうと頑張るよ。
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