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◆◇◆
(前回の回想)
魔法少女?!
◇◆◇
(ま、魔法少女…に、俺がなる?!)
『突然で驚かれていると思いますが、今は説明をしてる暇がないんです!!お願いですっ!』
冷静な態度から打って変わり、今度は必死な〈彼女〉。
でも、
どんなに必死でも……
「む、無理ですよっ!
だだだだだだって俺、男ですよ?!成人済みだし!
そ、そんな俺が魔法少女?!えっ、少女ってどーゆーこと?!
ともかく、絶対に無理ですって!」
『そ、そこをなんとかっ!』
「いや、でも…」
なんか、なったら大事な色んなものをなくす気がするし……
なにより、なんで魔法少女に?!百歩譲って戦隊もののヒーローとかなら考えたのに!
『……わかりました。
給料、2倍出します!』
「…!!」
『週休2日制で、もし休日出勤をするような事になってしまったら、代休がちゃんとあります!有給だって取れます!』
「っ!」
(や、やばい…でも、それを手に入れるには魔法少女にっ……代償がでかすぎる…)
『…………わかりました、3倍出します』
「ハイ、ヤラセテクダサイ!!」
(はっ!さ、3倍に目がくらんでつい!
で、でもでも、3倍だよ、3倍!!200万が600万だよ?!
この際、魔法少女なのに週休とか給料とかはどうでもいい……!!)
(…………一旦冷静になろ)
『本来であれば、ここで詳しく説明をするんですが、今は時間がありません!
つべこべ言わずに、【マジカル☆ドリーム】と心の中で強く念じながら、右手の人差し指で、空に円を書いてください!!』
え、えーい!!こうなったらヤケだ!!
べ、べつに〈彼女〉の勢いが怖いからとかじゃないからねっ!
(ま、【マジカル☆ドリーム】!!)
〈彼女〉の言った通り、人差し指で空に円を書く。
すると…
「ぎゃっ!!」
全身が眩い光に包まれた。
と思った次の瞬間、俺は露出の多いフリフリの洋服に身を包まれていた。
◆◇◆
「なっ、なっ…!!!」
なんじゃこりゃー!!!!
青と白を基調とした、フリルとリボンいっぱいのスカート。丈は短くて、自分の貧弱な脚がそこから伸びている。
一方、上は下着?キャミソール?みたいになってる。ただ、それも胸までで、お腹は丸見えだ。ぽっちゃりではないものの、鍛えられてない、これまた貧相な腹である。
(す、スカート短すぎない?!脚めちゃくちゃすーすーするし…
それにこれ、見えちゃうよ?!中見えちゃうよ?!)
『あーー……トロヤさんのときも思いましたけど、これ相当ですよね…。目が汚れそう…。』
「聞こえてますよっ?!」
『ま、まあ、いいです!そのうち慣れます!きっと!!
ともかく、私がいま本部から箒を呼んだので、それに跨って、あそこまで行きましょう!』
そう言って、画面の中の〈彼女〉が指差した先には、黒くて大きなうさぎ━のようなもの━がいた。
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