3 / 4
1-3
◇◆◇
(前回の回想)
謎の美少女が現れた
◆◇◆
「『えええええ?!』」
『えっ、ちょ、あなた誰ですか?!』
「あっ、え、はい!シャーチクカンパニーの━━」
『そういうことじゃなくて!!
え、これどーなってるの?!』
(いっ、一体全体何が?!?!)
それは、この画面の中にいる〈彼女〉にもわからないらしく、ブツブツとなにか言っている。早口過ぎて聞き取れないけど……
(この際、条件反射で名前じゃなくて真っ先に会社名が出たことについては、考えないでおこう……)
『ええー、まさかの一般市民。適合者を見つけたらすぐ飛ばしてって言ったけど、まさかこんな事になるとは…。どうする、私!やっぱここはドロンすべきか…。いや、でも、ここで見つけた適合者をみすみす逃す訳にも行かないし……あーーっ、もう!!逃すわけには行かないわよ、貴重な3人目よ?!
はあ…確かシャーチクカンパニーって……
よし!あなた、名前は?』
「えっ!は、はい!木谷創です。」
突然話しかけられて声が裏返ったが、気にしない。恥ずかしいけど。穴があったら入りたいけど。だって、自分の名前言うだけなのに裏返ったからね!!
そんな俺をよそに、〈彼女〉はさっきまでと異なり、急に真面目で冷静な態度だった。
『木谷創さん、ですね。
率直に申し上げますと、貴方の勤めてるシャーチクカンパニーは、経営難の為少なくともこの1ヶ月の間に大幅な人件費削減、つまりリストラが起きます。』
「えぇ?!」
『失礼を承知で申し上げますと、木谷さんのような学歴があまりなく、能力値もそこそこ、という方は真っ先に切られ、中途採用も難しくなります。』
「…………」
もう、ポカーンって感じ。
リストラについては、まあ、いつか起きるよね〜くらいの気持ちでいた。でも、まさかこんなに早いとは……そして、自分が切られちゃうなんて…!
しかも、見ず知らず(?)の人にあんなにボロクソにっ……
自分で思うのと、人に言われるのとで、感じ方は違うんだい!結構グサッと来るんだい!
『ですから、そんな木谷さんに、弊社から提案があるんです。
ぜひ、うちで働きませんか?給料は、いまの1.5倍は出します!!』
「んんんん?!」
展開が謎。あと早い。追いつかない。
え、えーっと…?つまり?
「ど、どうゆうことですか?」
『━』
〈彼女〉が口を開きかけた、ちょうどその時。
ドッカーン
『「っ?!」』
今度は爆発音がした。
◇◆◇
(こ、今度は何…っ?!)
『なっ!もしかして暴走した…!?このままじゃ街に被害が及ぶじゃん……
次から次に今日はもうっ…!はぁ、厄日よ!!
今はレオンいないしトロヤさんもいないし………こうなったら一か八か』
またもやぶつぶつしだす〈彼女〉。
状況の全く掴めていない俺。
(え、どーなってるの?!爆発音したし…
コ、コンビニに行きたいだけなのに…
てか、コンビニまであと数メートルなのに!!)
『木谷さん!!』
「は、はいっ!」
『お願いします、魔法少女になってください!!!』
「はいぃぃぃい?!」
ま、ま、ま、ま、ま、魔法少女?!
ともだちにシェアしよう!