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◇◆◇ (前回の回想) 謎の美少女が現れた ◆◇◆ 「『えええええ?!』」 『えっ、ちょ、あなた誰ですか?!』 「あっ、え、はい!シャーチクカンパニーの━━」 『そういうことじゃなくて!! え、これどーなってるの?!』 (いっ、一体全体何が?!?!) それは、この画面の中にいる〈彼女〉にもわからないらしく、ブツブツとなにか言っている。早口過ぎて聞き取れないけど…… (この際、条件反射で名前じゃなくて真っ先に会社名が出たことについては、考えないでおこう……) 『ええー、まさかの一般市民。適合者を見つけたらすぐ飛ばしてって言ったけど、まさかこんな事になるとは…。どうする、私!やっぱここはドロンすべきか…。いや、でも、ここで見つけた適合者をみすみす逃す訳にも行かないし……あーーっ、もう!!逃すわけには行かないわよ、貴重な3人目よ?! はあ…確かシャーチクカンパニーって…… よし!あなた、名前は?』 「えっ!は、はい!木谷創です。」 突然話しかけられて声が裏返ったが、気にしない。恥ずかしいけど。穴があったら入りたいけど。だって、自分の名前言うだけなのに裏返ったからね!! そんな俺をよそに、〈彼女〉はさっきまでと異なり、急に真面目で冷静な態度だった。 『木谷創さん、ですね。 率直に申し上げますと、貴方の勤めてるシャーチクカンパニーは、経営難の為少なくともこの1ヶ月の間に大幅な人件費削減、つまりリストラが起きます。』 「えぇ?!」 『失礼を承知で申し上げますと、木谷さんのような学歴があまりなく、能力値もそこそこ、という方は真っ先に切られ、中途採用も難しくなります。』 「…………」 もう、ポカーンって感じ。 リストラについては、まあ、いつか起きるよね〜くらいの気持ちでいた。でも、まさかこんなに早いとは……そして、自分が切られちゃうなんて…! しかも、見ず知らず(?)の人にあんなにボロクソにっ…… 自分で思うのと、人に言われるのとで、感じ方は違うんだい!結構グサッと来るんだい! 『ですから、そんな木谷さんに、弊社から提案があるんです。 ぜひ、うちで働きませんか?給料は、いまの1.5倍は出します!!』 「んんんん?!」 展開が謎。あと早い。追いつかない。 え、えーっと…?つまり? 「ど、どうゆうことですか?」 『━』 〈彼女〉が口を開きかけた、ちょうどその時。 ドッカーン 『「っ?!」』 今度は爆発音がした。 ◇◆◇ (こ、今度は何…っ?!) 『なっ!もしかして暴走した…!?このままじゃ街に被害が及ぶじゃん…… 次から次に今日はもうっ…!はぁ、厄日よ!! 今はレオンいないしトロヤさんもいないし………こうなったら一か八か』 またもやぶつぶつしだす〈彼女〉。 状況の全く掴めていない俺。 (え、どーなってるの?!爆発音したし… コ、コンビニに行きたいだけなのに… てか、コンビニまであと数メートルなのに!!) 『木谷さん!!』 「は、はいっ!」 『お願いします、魔法少女になってください!!!』 「はいぃぃぃい?!」 ま、ま、ま、ま、ま、魔法少女?!

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