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第13話

「っ、んっ」 「奏くん、声もうちょい我慢して」 一応ここ学校だからね。 って耳元で囁けば俺を涙目で見上げる奏くんは口元を手で多い必死に頷く。 でも俺が揺さぶればまた抑えきれない嬌声を漏らす。 久しぶりに会った奏くんはしっかりしていて、俺の手間を煩わせないように健気にもちゃんと後の準備をしていた。 こんなんでテスト受けてきたんだ、ってちょっと苦笑。 健気でかわいーなぁとは思うけど。それだけ。 女の子みたいに顔を歪め快感に翻弄されてる奏くんから一旦半身を引き抜き身体を反転させる。 四つん這いになったところを貫けば奏くんは上半身をソファに沈めて声を堪える。 腰を掴んでガツガツ腰を打ちつける。もちろん奏くんが好きな場所を突き上げてあげながら快感を追う。 久しぶりのセックスは単純に気持ちいい。 学校でヤってるっていうのもいいスパイスになってる。 これで相手が―――っていうひどいことを頭の隅っこで思いながら。 三日間のテスト期間。昼前にはテストは終わるのだから昼休みにここに来ることはなくて当然三日夾の姿を見てない。 会えるのは来週になってからか。 この休憩所の主だろう夾の許可をとらず奏くんを引きいれてセックスして。 煙草の匂いの残る部屋に性交の匂いが充満して。 それに興奮する、って俺ってば変態? 華奢な奏くんの上着を着たままの背にのしかかりながら深く突き動かす。 「っ、んっ、ふ……んっ」 ぐちゃぐちゃと結合部から聞こえるローションだの肉同士のぶつかる音だのがヤラシー。 絶頂まであとどれくらいか。あともうちょい? 打ちつける速度を速めてると、俺の耳が物音を拾った。 カチリ、と金属の回る音。 それは鍵の開く音だ。 テスト期間中にわざわざここに来るなんてことはしなかったし、夾だってそうだろう。 とっくに帰ってるはずだ。 だけど、俺以外にこの部屋の鍵を持ってるのは一人しかないはずで。 ドアの開く音を聞きながら、なんにも気づいてない様子の奏くんを揺さぶりながら熱い吐息をもらす。 ギシギシと軋む安いソファに押さえてても高い奏くんの喘ぎ声。 さっきまではそれなりに楽しんでたけどいまはそれよりも背中に向けられた視線に馬鹿みたいに興奮してる。 やっぱ俺って変態? ていうか煙草吸わないのかな。 ああでも突然知らないやつ入ってきたら奏くんビビるか。 俺としては入ってきていいけど。 だけど部屋に足音は響くことなく、俺は律動を速める。 奏くんはもうイキそうなのか自分でも腰をふってて俺は奏くんのを強く擦りあげ、前立腺を押しつぶすように腰を打ちつけた。 「っぁ、っんん」 くぐもった奏くんの声が響く。 汚したらだめだからとゴムをつけておいた奏くんの半身が震えて先端に吐き出されたものが溜まっていく。 そしてイった奏くんの身体は強張り俺のをひどくしめつけてきて、それを味わいながら激しく突き上げ俺も絶頂へと達した。 ゴム越しに全部出しつくし充足感に吐息をつきながら奏くんの中から半身を引き抜く。 肩越しに振り返りドアを見れば閉じられそこに第三者の姿はなかった。 何故夾がわざわざここへ来たのか。 それはすぐにわかった。 ぐったりソファに寝てる奏くんから部屋のなかを見渡せばデスクの下になにか落ちていた。 拾いあげればシンプルな革製のキーホルダー。 住居用ではないから車……ってのもないだろうし、多分バイクのものだろう。 テスト期間中もここに来てたのかな。俺も来ればよかったなーなんてちょっとの後悔。 夾はまた取りに来るだろうか。なんとなく来そうにはない。 連絡先を知ってれば「もう取りにきていいよ」って言えるのに。 キーホルダーを眺めジャケットのポケットに入れた。 「奏くん、大丈夫?」 そして奏くんの傍へ行って。 しばらくして学校を出てお昼時だからってことでファーストフードで昼飯食ってから駅で別れた。 もう少し一緒に居たいって感じの奏くんからの視線は笑顔で流した。 電車に乗ってポケットからキーを取り出して、どんなバイクに乗ってんだろうって想像して。 電車から降りてコンビニに寄って、バイク雑誌を買って帰った。 ***

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