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第14話
土曜は家でテスト疲れを癒すべくゴロゴロして過ごし日曜はコウの家に遊びに行った。
悩ましい表情をした絶賛片思い中のコウとゲームして、そんで部屋にたくさんあるバイク雑誌を読みふけった。
「なに、智。バイクに興味もったのか?」
「いやー。あ、このメット可愛い」
「……メットかよ」
コウのため息が聞こえてくるけど俺免許持ってないから乗せてもらうとなればメットが必要だし。
そう言えば誰かバイク持ってんのって訊かれて多分って答えてなんだそれって笑うコウに早くお金貯めてコウも買えよなんて話して。
コウの家を出たのは夕方。
そんな感じで土日は終わって―――待ちに待った月曜がやってくる。
久しぶりに夾に会えるかなーなんて俺ってば健気にキーを眺めながら月曜の昼休みを楽しみにした。
***
そして、やってきた月曜日。
鼻歌でも歌っちゃいそうな気分で弁当持って休憩所へと向かう。
授業が終わってすぐに来た秘密の部屋はいつもどおり俺が最初だ。
鍵をあけて中へ入ると煙草の匂いはほんの微かに、金曜の性交の匂いなんてものはまったく残ってない。
ソファに腰掛け弁当を食べる。
夾が来るのはたいてい俺が食べている途中。
まだかなぁとウズラの卵のベーコン巻きを食してるとドアが開いた。
相変わらずクールな夾くんは俺を一瞬視界にいれただけですぐにデスクのそばにいって窓を開けると煙草を取り出した。
ひんやりとした空気が入り込んできてホットのお茶を飲む。
「ひさしぶり。テストどうだった?」
テスト開けなんだからごくごく生徒らしい問いをしてみる。
当然無反応で部屋の中に煙草の匂いが蔓延しだす。
俺はいつもより早めに弁当を食べていった。
馬鹿みたいにワクワクしてるのが自分でも面白い。
ごちそうさまでした、とちゃんと味わいながらも早々と食べ終わり夾の傍に並んだ。
ポケットから鍵を取り出す。
窓の外へと顔を向けて煙草を吸ってる夾の目の前へ「おーい」と鍵をかざした。
「これ、藤代の? 落ちてたけど」
夾はようやく視線を向けるけど興味なさそうに鍵を眺めたままうんともすんとも言わなければ手を伸ばすこともない。
「金曜探しにきただろ? ごめんね、遠慮させちゃって」
入ってきてもよかったんだけど、と笑えば、夾の目に俺が映った。
変わらずどうでもよさそうな顔。
なんの興味もなさそうな眼差しが、不意に、揺れた。
喉を鳴らし一瞬目を細めさせた夾が鍵に触れる。
一瞬触れた指先。俺の手から夾の手へと移っていった鍵。
煙草を咥え、紫煙を吐き、
「お前―――俺とヤリたいのか?」
夾はそう言った。
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