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プロローグ
自分の恋が叶うことなんて物心ついてから、これと言って経験がない。
閉塞的な田舎町では同性愛はまだまだマイノリティだった。
初恋の人に想いを告げたら返ってきた答えは
「気持ち悪い」。
そこから地元を離れるまでの6年間は虐めの的な日々だった。
そのせいで僕の自尊心は地の底に落ち、自身を貶めて物事を考えるのが癖になってしまっている。
だから一目惚れしたあの人にも、想いを伝えるつもりはなかったんだ。
──だって、僕なんかが隣に居ていい様な人じゃないから…
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