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鬼さんこちら 03

 こうやって赤鬼に()られていると、これは夢なんじゃないかと思えて来る。 「あっ、やっ、そこだめぇ」  だって、気持ちいいとか絶対あり得ねえじゃんか。それこそ、鬼のように鬼デカイちんこをちっせえケツの穴に突っ込まれてんのにさ。  この時代、ちんこのことは魔羅(まら)とかイチモツと言うんだけど、鬼デカイちんこのことはデカ魔羅と言う。簡単に犯られる自分を恨みはするも、抵抗する気は更々なかった。 (――てか、なんで犯られっぱなしなんだ、俺えぇぇ!)  俺は俺で前世で経験がないから、簡単に流されてしまう。実は今世でも周りはジジババばかりで恋をしたことがないんだよ。 「ああっっ、らめぇぇぇ、イっちゃうぅぅっっ」 「おらっ、イけイけ! 何度でもイっちまえ!!」  因みに俺の幼なじみは、熊と相撲を取って勝ったことがある金太郎と本当に三年間眠っていたらしい三年寝太郎の二人だったりするんだけど、どうせならかぐや姫とか瓜子姫のような可愛い女の子がよかった。  特に瓜子姫は俺と同じように瓜から生まれた女の子で、前世の祖母(ばあ)ちゃんに聞いた話だと悪いやつに(さら)われたんだっけ、確か。赤鬼にゆさゆさ揺さぶられながら、最後はそんなことばかり考えていた俺だった。 「はあ、スッキリした」 「…………」  犯るだけ犯って、ようやく赤鬼が俺の上から退()いた。毎度のことながら、俺は犯られる方なのに体力の消耗が酷い。一方、鬼だからか赤鬼はとんでもない絶倫で、再び(さか)って来るのを上手く(かわ)しつつ物思いに更ける。  どうでもいいが、なんでこの世界は転生したやつで溢れているんだろうか。赤鬼や俺もそうだが、実は幼なじみの二人もそうで、金太郎は生まれた時に例のよだれ掛けを掛けさせられて不安が(よぎ)り、気付けば子熊と相撲を取っていたそうだ。  寝太郎は現実世界(あっち)で寝ている間に気付けば異世界(こっち)にいたらしく、寝太郎だけはどうやら俺たちが経験した転生とは違い、異世界転移(トリップ)をしたらしかった。しかも、トリップした日から三年間眠っていたとか、なんともファンタジーな話なんだよな。 「んじゃな。しっかり働けよー」  一方的に言うだけ言い、()るだけ犯っといて赤鬼は家を出て行った。俺は慌てて捲れた着物を直し、煎餅蒲団から逃げ出して(ござ)の上で居住まいを正す。  この時代の下着はあってないようなもので、基本的に短い丈の着物で出掛ける時以外は下着(ふんどし)もつけない。丈が長い着物(部屋着)の今は当然、ノーパンだ。 「んー、どうしようかな」  また鬼退治にでも出ようかな。そしたら文句は言われないだろうけど、そもそも鬼退治は単なる鬼いじめだったりするし、はたして仕事のうちに入るんだろうか。  いつものように婆さまは川に洗濯に、爺さまは山に柴刈りに出掛けた昼下がり。赤鬼に食われた留守番中の俺は、大きな溜め息をつきつつ乱れた部屋着を着直した。 2019/11/10/第1話完結

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