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第59話 Xmas2024

今日は楽しいXmas 烈は朝から、イベントで不在だった 少し前から東京ドーム付近のホテルに泊まり込み、設営の打ち合わせや、衛星をスムーズに繋げる為にアメリカとイギリスに繋げて、ズレないかチェックしたりしていた 飛鳥井のXmasは翌日 25日にすると決めた だが楽しい何時もの12月24日 榊原は子供達と共に井筒屋へ行きチキンを買う 井筒屋のおばちゃん達……仲良し達は時を同じくして黄泉の旅路へ渡っていたから………スタッフは総入れ替えされていた 後を託した者達で井筒屋は切り盛りされていた 人が変わろうとも、自分達が守り続けた味が、引き継がれ行くのだと想えば嬉しい………とおばちゃん達は言って笑顔で息を引き取った 新しいおばちゃん達はコロナ禍で職を失って飛鳥井で掃除をしていたり、定年で桜林の食堂を退職したおばちゃん達だった 烈が料理が得意なおばちゃんだったり、接客向きなおばちゃんをスカウトしたり、兄達が桜林の食堂からスカウトしたりして井筒屋を切り盛りするスタッフを集め今に至る 昔の様な活気のある店内は総リフォームして広くして綺麗になっていた 「今日はXmasだよ!チキンはどうだい! 買ってってね!美味しいよ!」 と謂うおばちゃんの声がアーケードにまで響く 榊原は子供達と井筒屋に入りチキンを買う おばちゃんは榊原達親子を目にして笑顔で 「あら?烈ちゃんは?」と元気な末っ子の存在を問う 「烈はXmas前から忙しくて飛鳥井にいないんですよ!」と寂しそうに言う榊原に、おばちゃんはコロッケを差し出した 「そうかい!孫も大好きなグループのリーダーだったね!ほら、皆もお使い頑張ってるから御駄賃だよ!」と言いコロッケを渡す 店内は奇しくもRODEOÑの歌が流れていた 有線放送だから、アーケードでも流れているのだった 兄達と榊原は末っ子を想いつつチキンを買って帰る その頃烈は本番前で調整に余念がなかった 倭の国へやって来ていたRODEOÑとStrong Hiのメンバーは本国に帰り会場となるホールを借りて、【R&R】のスタッフがアメリカとイギリスに分かれてプロジェクションマッピングを張り巡らし調整した 東京ドームに深夜に入り、一晩かけて二元中継を完璧に同化させ、臨場感溢れるステージを作る 【R&R】は正式なイベント日程を発表した 至る12月24日 東京ドームにてイギリスとアメリカと同時にXmasイベントを行います! イベントはXmasEve一日限り、3時間のステージとなる 前売り券は3カ国同時発売となります! そう発表した 倭の国へ来ていたRODEOÑとStrong Hiのメンバーは、宣伝用のYouTubeを何本か撮影して!本国に還ると即座にイベント会場を決めた そして本番前に使用する使われてないグラウンドにプロジェクションマッピングを張り巡らせ本番さながらの映像を投影した 12月23日の深夜に設営を開始して、本番前に調整する 本番の失敗は許されないから、何度も何度も調整する イベントの日程を公表すると、前にイベントに出てくれた者達がノーギャラで良い、寧ろお金払っても良いから参加させてくれないか?と打診があった 早瀬頼朝も例外に漏れず烈に連絡して来た 『烈、イベント聞いたよ、今回は呼んでくれないの?』と寂しそうに聞く 烈は「え?よりちゃん忙しいでしょ? 今 引っ張りだこって聞いたわよ?」と謂う あれから早瀬は必死に自分の持ち味を生かして、アメリカ、イギリス、倭の国で活動していた 事務所を持たない早瀬は【三社共同事務所】のタレントとなり、其処で活躍していた 所属事務所がなかった者達を、三社共同事務所に属させ活動を支援しよう!と神野、須賀、柘植、は、相賀をトップに据えて三社で育てると謂う意味を持ち 新たに【三社共同事務所】の枠を作り、それぞれのスタッフを配置して管理させていた その事務所には早瀬頼朝、宸睿(チェンルイ)、中村翔太、エリオット高崎、シェリー・レイが名を連ねて、悲鳴が出る程に忙しいよ! と言っていた なのに出られるの??と烈は想っていた 早瀬は『俺は烈の為なら何としてでも出る! 今回はXmasイベントの話は前から出てたから休みにして貰ってるし、問題ないよ!』と謂う 「ならよりちゃんお願いね!」 『任せておいて!』 と謂う事で司会者はGETしていた 隼人は「オレ様は弟のイベントには絶対に出るのだ!まだ汚名挽回してないのだ!」と言い参戦を申し出た 隼人は未だアメリカの公演中、無気力になり足を引っ張った事を後悔していた が、今回のイベントは誰も使わないと早々に宣言して、烈は誰も使わないと大々的に打ち出していた だから隼人にも「今回はごめん、使えないのよ!」と断った イベントの話を聞いて真矢と清四郎も「出たいわ!私たちも!」と言っていたが……… 「今回はね、一人の人しか使わないのよ! だから関係者用の席用意したから、今回は見守っていてよ!」と謂れ了承した 清家静流も「僕も出たいよ!」と言って来たが、同じく断り関係者用の席にご招待した 清家は最近、阿賀屋蒼佑と飛鳥井宗右衛門の鳴り物入りの縁談で松川屋円十郎が息女 椿姫との縁談が持ち上がり……… 二人は出会うなり恋に落ち………婚約した 円十郎も清川屋との縁は繋ぎたいと思っているのか、それとも縁談を持ち上げた阿賀屋と宗右衛門が怖いのか? 縁談には大賛成して娘を送り出すつもりだと記者会見で告げた 飛鳥井宗右衛門は「此れは政略結婚ではない! 二人は出逢った瞬間恋に落ち、互いの伴侶を得たのだ!此れは運命であり定めなのじゃよ! この婚姻が梨園の確執や仕来りを打ち砕き、より親しみ深い歌舞伎となる事を祈る!」と会見で告げた 阿賀屋も「梨園は何時の間にか格式高いモノとなってしまった! 歌舞伎は江戸の始めの頃から始まり、民の心に一縷の娯楽を与えた 親しみ深い演劇を魅せる場から格式高い梨園の世界へ行き………世情から離れて行ってしまった事すら気付かずに今に至る! そんな歌舞伎の世界は政略結婚当たり前な世界だったのか? 清家と松川屋の婚姻も政略結婚だと思われても仕方ないが、この二人は飛鳥井宗右衛門が占い出逢わせた二人で在る 愛し合いされ慈しみ合う二人であれ!」と会見で告げた この二人が顔を揃えれば…………記者達は緊張しまくりで………よけいな事なんか質問するのも無理となる 清家は「彼女を幸せにします!若輩者に御座いますが何卒宜しくお願い致します!」と言い 椿姫は嫣然と笑い「私は生涯独身で終わる……そう思っておりましたが、宗右衛門が、いや、烈がわたくしに伴侶を与えてくれました! 烈、わたくしは幸せな花嫁になります! 婚姻の儀の時は是非とも其処の蒼佑と共にお越し下さい!」言う 烈は「其処の蒼佑だって」と笑って言うと阿賀屋は「其処の椿も末永くお幸せに!」と返した 椿姫は「蒼佑の癖に!」と謂うと阿賀屋も「椿の癖に俺より早く伴侶見つけやがって!」と互いを罵る 椿姫は、ほほほほ!と笑い「わたくしは最高に幸せになりますわ!」と謂う 何ともな婚約記者会見となった その婚約した清家が「出たい!」と来たのだ まぁ誰も使わないと宣言して断ったのだ……… 烈は「Xmasは恋人同士で過ごしなよ!」と謂う 「なら恋人と過ごすから二人分席用意してよ! そして僕はまだまだ先に逝く! 完璧なんでこの世に存在しないって貴方が教えてくれたんだから、今回は諦めるけど時々使ってチェックしてよ!」と謂う 「なら今回のコンセプトを意図出来るなら考えるわ!」 清家は「受けて立ちますとも!」と前向きな姿勢が伺えられ、良い方向へ向かっていると感じていた イベント最大の見せ場 最高の贈り物 それは人それぞれの価値を持つ 真心を込めたモノなれば、何でも嬉しい そんな人もいれば、ブランドや高価なものを、欲する者もいる 人の価値はそれぞれだ……… が、その人にとっての最高の贈り物で在れ! と、烈は想っていた たからこその、贈り物を取りに取りに魔界へと出向いた イベントの合間を縫って魔界へ行く強行軍となっても、贈り物を取りに行かねばならないのだ 神の道を通り崑崙山へ出ると、アル君を呼んで行こうと想っていた が、八仙が待ち構えていた 「婆婆が烈がこの時に来ると知らせてくれた 疲れぬ様に鳳凰を呼んでおいてやった! さぁ逝くがよい!」と謂う 烈は八仙の屋敷で茶をしばいていた鳳凰の背に乗り魔界へと向かう 鳳凰は地獄の門の前で待ってもらい、烈は地獄の門を開閉して貰い中へと入る 鳳凰は地獄に一歩も踏み込んではならない 輪廻を司る朱雀同様、人の運命さえ変え兼ねないからだ 地獄の門にいる鬼達に小童のいる所へと乗せて行って貰う 烈は小童のいる場に乗せて行って貰うとリヤカーから下りて 「人の世では今 師走なのよ! だから君達は年始まで人の世へ連れて行ってあげる! でも自由に動いたり連絡は取れない事だけ頭に入れておいて!」 と告げる 貴教と敦之は笑って 「そんな事は百も承知してますよ! 僕達はこれ以上未来を手放す気はないですから!」 「そうそう、君に逆らってこれ以上の過酷な所へ送り込まれるのは嫌だし、況してや君が敷いてくれる轍から敢えて外れる気はないので大丈夫です!」 と謂う 烈は拓美と拓人の方を向いた 「君達は?どうするの?」と問い掛けた まさか自分達が人の世に年末年始だけでも逝けるとは想ってなくて驚愕の瞳で烈を見た 「え?僕達も………」 「人の世に年末年始だけでも逝けるの?」 と信じられずにいた 烈は「自由に連絡は取れないわよ!果てが狂う事をした時点で見放すわ! それ以降はボクの視界にすら入れない……ある意味生き地獄になるのを自覚するならば、の話だけどね!」と言う 拓美は「これ以上堕ちたら人じゃなくなる………それは嫌だから這い上がると決めたんだ! だから君が連絡するな!と言うなら連絡なんかしないよ! 轍から外れる事の怖さを………知ったからね!」と言う 拓人も「僕等はクソだった………それを思い知らされました! そんな僕等の事なんて信じられないかも………だけど、謂われた事は護ると誓います! あんな………全ての人間に見放されて人生を送らねばならないならば………今此処で………… 僕は変わると決めたんだ! 貴方を裏切る事は二度としない!」と吐き出す様に謂う 「ならば、貴方達四人は人の世に行き、菩提寺で仕事をしつつ過ごして貰うわ! 年末には餅つき大会あるからね、お手伝いして貰うわよ!勿論、搗き立てのお餅食べさせてあげるわよ!」 敦之は「搗き立てのお餅?僕食べた事ないな!」と言うと貴教も拓美も拓人も「「「僕達もないよ!」」」と言う 「なら行くわよ!」と言うとリヤカーに乗り込んた 鬼ちゃんが走って門まで連れて行く 門の外に出ると鳳凰の背に乗り込んて崑崙山へと出る 崑崙山へ着くと鳳凰と別れて神の道を開き、菩提寺の試練の間へと出た 烈は試練の間の襖を開けると、城之内が待ち構えていた 烈は城之内に「この四人は戦力になるから仕事ををさせて!」と言い城之内に託した 城之内は「この者達はこの前榊原の家から貰った服の中から合うのを着せておけば良いか?」と問い掛けた 榊原の母 真矢は引っ越しの荷物の中に榊原や笙が子供の頃の服も持って来ちゃったのよ!と言い飛鳥井の家に持って来てくれた 烈はその服を菩提寺に運び込み拓美達に着せようと保存させておいたのだった まぁ下着とかは、一生に頼み4人分買って来て貰い用意してあった 烈は「下着は各々好きなの選ばせてね、服も好きなの選んたら独身寮へ持ち込ませ着替えとさせてね!」と頼む 城之内は「了解した!」と言う 烈は四人に「年末年始はこの菩提寺で過ごしてね!後で滞在中のお小遣い渡すから、にーに達や七生達とお菓子でも買いに行くのよ!」と言う 四人は嬉しそうに笑っていた 烈は四人を城之内に頼み、保養施設の一階に行きお茶を啜りつつ竜馬に連絡を入れた 「お迎えに来て!」 直ぐ様お迎えに来てくれるラインを受け取り、煎餅をパリパリ食べていた すると兵藤がお迎えに来てくれた 烈はそれに乗り菩提寺を後にした そして迎えるXmasイベント 最高の贈り物をお届けして大盛況の内に幕を下ろした 旅館で打ち上げをして翌日 烈は竜馬と兵藤と【R&R】の皆と飛鳥井の家へ帰りXmasをした 家族で迎えるXmas それは楽しい楽しい………飲兵衛の巣窟となった…… 阿賀屋が鷹司と神威を連れて来るから…… 一緒に飲んでた神野、須賀、柘植、相賀もやって来て……飲兵衛の巣窟と成り果てた 鷹司は「やっとあの大怨霊がいなくなって、今は土地の浄化だけになり兄者もご満悦じゃ! お前、苦労をかけたから兄者にあの土地にマンションが建った暁には道場を作ってやると約束したのか?」と徳利片手に問い掛ける 「そうよ、緑道にも苦労かけたからね、その労いの為に道場を一階に作ってあげる約束したのよ! どの道、鷹司の道場老朽化してるじゃない! 地下も作ってあげるから、骨董品や呪物は地下に封印結界して置くのよ! でないと近い内に鷹司の蔵破られちゃうわよ!」 「え?それは何故に!!根拠は!!」 鷹司は慌てふためき叫んだ 「この前、緑道んち行ったのよ その時、蔵見たら……結界ヤバそうだったのよ だから呪物の分散しなさいよ!」 鷹司はうっ!と胸を押さえ………呻いた 「お主………見事な返り討ちしやがって! それが容易いなら、既にしておるわ!」 「弥勒が還ったら道場を確保してやるからさ、その横で少しずつ浄化始めなさいよ!」 「うっ!!…………お主……よくも…簡単に言ったな!」 「放って置くなら…………母しゃんに頼んで綺麗サッパリ燃やして貰うわよ!」 「それは辞めてくれ!価値があるのじゃ! 燃やされて溜まるか!」 話を聞いていた康太が笑って 「え?燃やして良いのか? ならば、火加減最大で燃やしてやんよ!」と言う 鷹司は泣きながら「真贋、勘弁してくれ!」と頼んだ 康太は仕方なく「蔵の結界強化したら良いのか?」と問い掛けた 烈は「強化したら良いとかのレベルは超えてるわ 早い内に分散させないとOUTだと想うわ!」と謂う 兵藤は「それってどの基準で言ってるのよ?」と謂う 烈は「りゅーま、タブ出して!」と謂うとお肉を食べてた竜馬がバッグの中からタブレットを出して渡した 烈はお肉の油がついたタブレットを受け取ると、ウェットティッシュで拭いた そして兄に渡して貰った布巾で拭いて、タブレットを額に当てて「う〜ん~~う〜ん~~!」と念写した 今回は相当に踏ん張ってる声に、レイは思わず烈のお腹を擦った 念写が終わるとタブレットを母に渡した 康太はタブレットを受け取り………「う!!!」と唸った そして「どうしたらこうなる!」と叫んで 「霞ケ浦の骨董品とか置いたのか?」と問い掛けた 「霞ケ浦の骨董品や貴重品や家具とかは崑崙山のボクの家の裏の倉庫に運んでるからないわよ!」 「なら何故なんだ!!」 榊原もタブレットを覗き込み……その禍々しさに眉を顰めた 「付喪神ならまだしも、曰く付きなのばかり置いてるからこうなるのよ! それも緑道が早く何とかしろ!と怒っても次から次へと収集して来るから、こうなるのは当たり前よ!」 鷹司はクシュンと項垂れていた 阿賀屋は「何とかしてやれよ!宗右衛門!」と謂う 「ボク 最弱非力なヤツだから無理よ! 腕力なんかないし、小さいし、無理言わないでよ!」 「なら真贋、燃やしてやれよ! 黒い部分だけ取り除けるんだろ?」 「真央たん駄目よ、最近の母しゃん調子良いから、楽しくてアレもコレも燃やしちゃうから!」 「う!!!それは危険だ!」 と阿賀屋は呻いた そして「なら崑崙山にある烈んちの家の前に置いて置けば良いやんか! あの地は雨降らねぇし、ミスト濃いし自然に浄化しねぇかな?」と謂う 「八仙が禍々しいの置いたら即座に木っ端微塵にしちゃうわよ!」 「駄目か……なら無間地獄に落とせよ!」 「落とすのは簡単だけど、落とした瞬間壊れる可能性があるじゃない!」 それを聞き鷹司が「壊れるじゃと!冗談じゃない!」と叫んだ 神威が「お前等煩い!」とケリを入れる 一生がレイを飛ばして阿賀屋にケリを入れる レイは喜んで飛ばされていた 兄達が地面に落ちない様に受け取り、座らせる 楽しい飛鳥井のXmasは笑いに包まれ…… 煩い程に賑やかなに笑い声が響いていた HappyXmas 皆様の上にも幸せが訪れ、笑顔に満ち溢れます様に……… 後日談 菩提寺にいる子達は水萌がスタッフ達と共にXmasパーティーを開いていた 烈や榊原から軍資金があり、ケーキやご馳走を食べさせてやってくれ!と謂う事で、夏海や華絵、紅葉達は忙しく料理に取り掛かっていた 23日の夜遅く、烈は拓美と拓人と貴教と敦之を呼びに来た その時、烈は拓美と拓人に 「今は母親の事、どう思ってる?」と問い掛けた あれから相賀が二人を尋ねてやって来た 相賀は「烈に頼まれたから、離婚して以降の………話をするよ!」と言い写真を見せながら話をした 久遠と離婚して………心が弱った果てに幾度も幾度も自殺未遂をして………我が子と引き離され…… 廃人同然になり生きていた 我が子といられない生活は………生きる糧をなくして………悲惨なものだった………と相賀は話した 真贋に頼み写真を定期的に送って貰い、それだけが生きる糧になり………歩き始めた それも相賀が事務所の代表を退いてからはなくなった その後は両親を一度に亡くし…… 自身も子宮癌と闘い……… 辛い日々を送った母の話を聞いた 今ならば…………素直に当時の若くて未熟な母が双子を抱えて苦労していた事が理解出来た そして不器用な父は自分がいる事こそが妻を苦しめていると………距離を取りは国境なき医師団に入り自分を追い詰めていた事も理解出来た 相賀は「二人は未熟じゃったからな…………」と後悔を口にする 若くして芸能界に入った母は世間知らずで 愛人の子として生きた父は………ひっそりと生き過ぎて………世間知らずだった そんな二人が愛し合い子を成しても………破局は今ならば理解出来ていた 愛は盲目 その後に現実が着いて来る……… 好きだけで生きて逝ける世界ではないのだ だからこそ烈に問われても 拓美は「今はもう母さんを恨んでなんかいません!母さんも苦しかった日々を送った もう母さんを悪く謂う事は絶対にしない! 母さんに会える日が来るならば………素直に甘えたいです!」と答えた 拓人も「そうだね、今の僕等には当時の母さんの大変さや………苦しみは理解出来ます 父さんも………逃げるんじゃなく向き合えば良かったのに……とは想うけど、あの人は不器用な男だって解るから………仕方ない事だって理解出来ます 母さんも相手が………ちゃんと子育てに向き合ってくれる人だったならば、こんなに苦しい想いなんかしなくても良かったのにね………… ボタンの掛け違い…………互いを見てないから解らないって………想えないなんて……辛すぎだよ だから今ならば母さんを悪く謂う事はないです 母さんの辛さ苦しさ………そして孤独を解った今ならば…………親子として始められるんじゃないか………って拓美とも話したよ 何時か母さんに会えるなら………そんな話もしたいよ!」と本音を口にした 烈は「優しい子におなりなさい!人の痛みの解る子になるのよ! じゃなきゃ………君達は裸の王様にしかなれない そんな愚かな大人にならない為に………君達には過酷なプログラムを用意したから、まだまだ序章も行ってないからね!」と笑顔で言う 序章も行ってない………と聞き少しだけ………気後れするが、其れも仕方ない 傲慢で自分勝手に良い子の仮面を着けて生きて来た報いだから……… 拓美と拓人は「「仕方ないけど、僕等はほら、双子だから二人ならば乗り越えられない壁はないと思うんだ!!」」と声を揃えて謂う 敦之は「双子………良いな!」と呟き 貴教は「双子の共感は凄いらしいから羨ましいな………」と呟いた 烈は笑って「双子じゃなくても絆が強ければ共感は出来るし、分かち合う事は出来るのよ!」と言った 飛鳥井の6人兄弟の絆の強さを謂れ、皆脱帽となった 兄達は弟を想い、弟は兄を想う この兄弟の絆の強さは、桜林の生徒ならば誰もが知っていた 弟の大切な宝を育てる 兄弟でちっこいのを育てている その絆の強さと愛情の深さ 四人はそんな最強な愛を見せられ、心に誓うのだ 自分達も最強の愛の絆を結ぶと!

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