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ごっくん!

  「んぐっ、ん゙ッ……」  飽きずに俺のチンコを咥えては頭を押さえつけるように頼まれて、それでいて苦しそうに声を出すから、まるで俺が悪者になった気分になる。  どこまで俺に尽くせばこいつは満足するんだ……。  王司の喉奥にまで先っぽが届き、それがキッカケで嘔吐く王司の喉仏に気持ち良さを覚えて、今まで耐えていた息を漏らしては出てしまった液。 「はッ……ん、まさや……」  離せ、なんて言ってもダメだと諦めたのはつい最近のこと。  いくら髪の毛を引っ張ろうが動かせる足で横腹を蹴ろうが、王司のモノを痛みつけて退かそうと思ってやっても全部あいつにとっては〝気持ちのイイもの〟として繋がるわけだから、無意味なんだ、と。  こいつは無敵だ。  こうやって、なにが楽しくて男のモノを咥えてるのかがわからない。  わかろうともしなければ俺がヤってあげようかとか、そういうのもないからな。  どうしても、と懇願するのであればまず俺の言うことをちゃんと聞いてほしいものだ。  わりに合わない願いをポンポン聞いてたらキリがないし、絶対に調子に乗るのは目に見えている。  でもその前に、俺はこいつのチンコを咥えることが出来るのか……考えなくてもいいところまで考えてしまう。  別に咥える気なんてないんだけど。  ないんだけど、まあ、あるかもしれないし。……イキながら考えることでもないか。 「ん、んンっ……んッ」 「はぁ?なに?つーか、はやく離れろよ」  そんなことより王司の好物な精液を口いっぱいに放ってやったんだ。  さっさと口からチンコを出してもらわなきゃ俺が困るっつの……!  イったあとの刺激はツラいんだからな?  お前それ知ってるか? 「ふぁ、んッ」 「――っ」  果てたさいに出した俺の精液と、王司の口から出てきたよだれ。  それらが混ざりに混ざってて王司が俺のチンコから離れた時に、ちゅぽっと音が立った。  あまりにもイヤらし過ぎる音だ……わざとなのか、そうじゃないのか問いたくなる気持ちと、それに反応してしまいそうになる敏感なモノにこっちが呆れてくる。 「み、ひぇひぇっ」 「なに、言ってんだよ……」  きゅっ、と指まで絡むような手繋ぎをされながら、もう片方の手で人差し指を喉にさす王司。  たぶん『見てて』と言ったんだろう。  憶測でしか過ぎない言葉に俺はジッと指差すところを見てやった。 「んっ、く、」  大きく揺れ動く、王司の喉仏。  俺の精液がゆっくりと喉から食道に流れて、それからあとはもう下がるのみ。  あぁ、俺の精子は行くはずのない体内へ向かって行くんだな……。 「口、開けてみ」  なくなった口のナカで半ば無理矢理、指を突っ込んで開けさせれば綺麗な歯に白い糸とよだれで繋がる糸が何本か出来てて、すぐに切れた。  この間も思っていたが、こういったシチュエーションだけはエロいと思ってしまう。  王司相手でも、だ。 「精液って飲んでも腹壊す場合があるらしいぞ、平三と木下が言ってた」  今さらながら座るソファーの背もたれに寄りかかって王司の舌を軽く引っ張ると、うぇっ、と小さく反応した王司。  それでも嫌がらず膝の上に這い上がってきては俺の指を甘噛みしてきた。  ムズムズしてはさらに舐めてくるもんだから変な気分にされるな……いや、もしくはそういう気分にさせようとしているのか。  そうしなくても受け入れる気はあるんだけど、伝わらなかったか。 「おれ、さとしくんので痛みを味わえるなら、なんでもいいよ」 「そういうところがあるからドMとか言われんだよ」 「でも智志くんのだからね」  意味がわからん。  もぐもぐと俺の指を噛みながら、たまにしゃぶったりして変わらずの王司。  こて、と肩に頭を置いて目を瞑ってる。  おいおい、寝られたら困るぞ?  ここまでしておいて、それは困るぞ。 「雅也、」 「ん、ふふっ、耳くすぐったい」  とか言いつつ避けずに嬉しそうな顔しやがって。  な?  こいつになに言ってもなにをやっても無駄なんだ。  だったら最初からような言葉を与えても良いと、思ってしまう自分を殴りたい。  調子に乗るから、という理由であまり言わない褒め方。  そのはず、なんだが……んー。  思ってる事を言うのは、褒めたうちに入るか?  んー……。 「てめぇのごっくん、結構よかったぞ?」 「……」  思い出すのはさっきの揺れ動く喉仏。  しゃぶられていた指をだして、その出っ張りに触れると王司はぶるっと微かに震えた。  触り続けていればもぞもぞと動き出して、視線だけを移して見れば、王司は自分のチンコを取り出して俺のモノと擦り合わせてきた。  あー、こいつは猫かなにかか? 「んっんっ、アツいねっ……またごっくんするから、いい?」  涙目で訴えてくるその言葉に、俺の返事は一つしかなかった。  俺にも性欲があるわけで。  しかも王司 雅也しか知らないわけで。  自分を正当化させながらも、どこかで俺はこいつと変わらず変態なのかもしれない。  いや、つーかもう手遅れじゃないか?――ま、いいか。  

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