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おまけ

 その後の二人は……。 「何故だっ」  ナグロは再び死神の実をもぎ取り、かぶりついた。 「おおっ、イサイ、蘇ったかっ!ああっ、くっ苦しい、だが、あっ愛している」  ナグロは再び冥界へと旅立った。 「何故だっ」  イサイは再び死神の実をもぎ取り、かぶりついた。 「おおっ、ナグロ、蘇ったかっ!ああっ、くっ苦しい、だが、あっ愛している」  イサイは再び冥界へと旅立った。 「何故だっ」  以下、無限ループへと……。そして死神の実がついに切れた。 「もう、あんた達、しつこい!裏技を教えるから、とっとと帰って!」 「裏技……?」 「……とな?」  僅かしかない時間を惜しみ、イサイとナグロが同時に言う。 「つまりね、あなた達二人で私を一緒にもぎ取って、同時にかじればいいってこと」 「おおっ!」 「なるほど!」  そして二人は幸せに暮らしましたとさ―――めでたし、めでたし。  静寂を取り戻した森は、木々のあいだに、密やかな息遣いを妖しく漂わせ、穏やかな煌めきに優雅に佇む。欲深き人の願いは尽きることがない、新たな死がそこに現れるのを、清爽とした空気に包まれながら待つのみと、森に吹くたおやかな風が死神の実にそう囁いていた。

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