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Ⅷ 鶺鴒

『高速船の名は《鶺鴒(セキレイ)》亡きクラウス殿下が設計したものです。 あなたの名を船の名の一部に命名して。 あなたの幸せを願って』 最後まで、嘘をつき続けるのだな。 ヴァールハイト 俺には全て分かってしまったよ。 お前がヴァールハイトである事も。 ヴァールハイトでない事も。 お前は、俺の運命のαで 俺は、お前の運命のΩだから 運命は再び回転する。 運命は、 俺達のさだめは、再び俺達を惹き会わせたんだ! I have a control. 「レイ・フォン・クローヴァー、《鶺鴒》出るぞ!」 コックピットに光が灯る。 滑走路が暗い宇宙に浮かぶ星を映した。 飛び立て、《鶺鴒》 星が流れる。 暗黒に火が燃えて、輝いている。 「クッ」 操縦桿が重い。 慣れない高速船のせいか。 (違う) 船は引かれている。 俺が向かうのは地球じゃない。 あったぞ、ヴァールハイト (これだ!) お前を勝利に導く戦術だ。

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