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第20話

 会計を済ませ、薬をもらって佑真さんに支えられながら外に出ると、日差しは眩しく院内の涼しさが嘘のようだ。 「佑真さん、車じゃなかったんですね」 「お前が怪我したって聞いて冷静に運転できる気がしなかったからな」 入口の前に止まっていたタクシーに乗り込み、行き先を告げた佑真さんは涼しい顔でそんな事を言うから何と返していいのか分からなくて困ってしまう。 この人のこういう所って本当に分からない。でも少なくとも運転できないくらいには心配してくれたって事だよな。 佑真さんはまだ俺の事を好きでいてくれているんだろうか。 でも心配だけなら永徳も泣きながらしていたよな。 それに怪我した理由を何も聞かれていない。永徳に聞いたのかもしれないけど、それにしたって俺に何も聞かないのは興味がないからじゃないのか。 マンションに着いたタクシーを降り、自分で導き出した結論に落ち込みながらとぼとぼ歩いて部屋へ向かった。

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