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エピローグ

 ある時あるところに、鬼が出る村がありました。10年前に、桃太郎という1人の美青年が3人のお供を連れて鬼を退治したのですが、やはり鬼はこの村にやって来るのでした。 「おい人間ども! これを寄越せ」 「さっさとしねえと蹴り飛ばすぞ」 「ヒイッ」     村の人達は怯え、慌てて布やお金、宝物を両手に抱えて鬼達の前に放り出しました。 「こ……これでどうか堪忍してくだせえ」 「ああ?」 「お前達、何をしているんだ!」  高く響いたその男の声に鬼達は一斉に振り返り、そして膝を突きました。 「頭領様」 「頭領様、何故こちらに?」  頭領、と呼ばれた人間らしき長髪の美青年は腕を組んだまま鬼達を叱りました。 「何故? お前達がまたこの村で悪さをするから監視に来たに決まっているだろうが。村人達を脅すなと何度言えば分かる?」 「すいやせん!」 「面目ねえ」 「謝る相手が違うだろう。きっちり頭下げてこい!」 「へいっ!」  頭領に言われ、鬼達は村人に膝を突いたまま頭を下げ、謝りました。それから怯えていた村人と鬼は仲直りして一緒に食事をしましたとさ。  一方その頃、犬山と猿川の互いを罵り合っていました。 「何故貴様が桃太郎さんを裏切ったのです?」 「お前があの人に手を出そうとしたからだ、この浮気者が! 桃太郎さんさえいなければお前は俺だけのモノだったというのに」 「だからと言ってこの仕打ちは最悪です。この人でなし」 「お前如きに言われる筋合いは無えこの二股野郎」  こうして2人は揃って「ふん!」とそっぽを向き、それぞれ反対側に向かって歩いていきます。  昔は仲が良かった2人。しかし今では顔を合わせればこうして互いに罵り合い、嫌い合っていました。この事から、互いにいがみ合う2人を「犬猿の仲」というそうな。 めでたしめでたし

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