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 大学の学食で飯を食ってたら、視線を感じた。 「(いずみ)くんだ」 「いつ見ても格好良いね」 「モデルだから、スタイル良いし、背も高いし……」 「でも、遊び人って噂━━」  見ると、真面目そうなグループの女。俺はあぁいうタイプとは絶対に寝ない。  否定はしない。俺は俗に言う最低な男。重い恋愛は苦手。『人生は適当』がモットー。何かに熱くなるなんて、馬鹿らしい。  初めてヤッたのは中1。相手は女子大学生の家庭教師だった。アッサリ、俺の童貞を奪った女は『私、童貞にしか興味ないの』と意味不明な言葉を残し、あっという間に家庭教師をやめ、いなくなった。  その後、告白されて初めての彼女ができたもの……毎日、ヤッてばかりいたら、『体しか興味ない人は嫌い』と言われ、2番目の女には『もっと優しい人だと思ってた』と振られ、3番目の女には『自己中』と切り捨てられた。  女はすぐ寄ってくるけど、大体、2、3ヶ月で別れる。欲しいのは友達に自慢できて、周りから羨ましがられるアクセサリー彼氏。いくらでも替えがきくし、飽きたらすぐに新しいものに交換する。  それに気が付いた時、一気に面倒くさくなって、彼女を作るのをやめたんだ。  ━━━━ワンナイ卜が一番楽でいい。

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