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第18話優しい瞳
「素直じゃないな、おまえは。本当に」
沢井はそう言うと、大きな手をそっと黒崎の額に当てた。
サラリとした冷たい手の感触が心地よい。
優しいっていうのは、沢井先生みたいな人のことを言うんだと黒崎は思う。
二晩も帰らずに、忙しい中、怪我をした自分を度々見に来てくれる。
黒崎はずっとマイペースで生きてきた。
なのに、沢井といるとなぜか調子が狂ってしまう。
……でも、それが不快では決してなくて。
沢井に髪を撫でられ、額にそっと触れられて、心がなんだか……よく分からない気持ちで満たされる。
沢井の切れ長の鋭い目が、今は優しく細められ、黒崎を見つめている。
その少し茶色がかった瞳で見つめられていると、不意に泣きそうになってきて、黒崎は眠くもないのに、目を閉じた。
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