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第101話 癒しのキス

 ようやくポーカーフェイスの下の本当の顔を見せてくれた黒崎。  沢井はついばむようなキスを繰り返しながら、彼の体に自分の体をそっと重ねていく。  黒崎を優しく抱きしめることで、彼の心の中のおぞましい記憶を、すべて消してあげたかった。  深い口づけを交わしたまま、沢井は黒崎の着ているものを脱がしていき、彼の素肌に大きな手で触れていく。  暴力を受け、痛々しく内出血している腹部は殊更優しく撫でさすった。 「……痛むか……?」  口づけの合間に聞くと、彼は小さくかぶりを振る。 「平気です……」 「一応CT撮っといたほうがいいな」 「大丈夫ですよ……」 「ダメだ」 「心配性、なんですね……、沢井先生って……」  キスのあと、まだ整っていない息のもと、黒崎は小さく微笑んだ。 「おまえに関してはな……」  沢井は黒崎の首筋に顔を埋め、自分だけのものだという証の印を刻んでから、彼の体を愛し始める。  黒崎の体に口づけ、舐め、探った。やがて沢井の唇は、彼の体の中心へ辿り着き、敏感なソレにも口づけをした。 「あっ……、やだっ……! 沢井先生っ……」  黒崎は恥ずかしがって、大きく抵抗してきたが、彼の体が快感にとろけるまで、沢井は彼のソレを舐め、咥え、吸い上げることを繰り返した。 「あっ……、ああ……、沢井先生……あっ……」  やがて、徐々に抵抗は止み、黒崎の心も体も完全に快感一色に染まっていく。  黒崎が甘く掠れる悲鳴をあげ、沢井の口内に愛液を放つのはすぐだった。  沢井は彼が放った愛液をすべて飲んだ。 「おまえのはとても甘くて、美味いよ……」  沢井が言うと、目尻に涙をためた黒崎は、真っ赤になってうつむいてしまった。

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