ニャアニャア激しい鳴き声に目を覚まし 眠い目を擦りながら布団を捲り 上半身を起こす。 隣にある筈の体が無い事を見ると 先に気づいたかな。。 倉田佑は うーん。と伸びをしてから ゆっくりとベッドを降りる。 その体には布一枚羽織っておらず そのまま全裸で 鳴き声がする方へ歩いていくと 庭に集まってきている猫に引っかかれながら 「待って。。待って下さい。。今。。 今あげますから。。ああっ。。引っかかないで。。 すいません。。ちょっと。。あ。佑。おはよう。」 必死にエサをあげている男が 俺に気づき 満面の笑みを浮かべる。 「おはよ。俺がやるからいいのに。」 そう言うと 立ち上がり首をふるふると振った。 「昨日無理させたから ゆっくり 寝てて貰おうと思ったんだけど。。 うるさくなっちゃったかな。ごめんね。 ああっ。。痛いです。。わかりました。 ちょっと待って。。。」 手に持つそれを寄越せとばかりに ガリガリと足に爪を立てられ 急いで 餌やりを再開する。 縁側によいしょっと座り そのさながら パニック映画的な光景を眺めつつ 煙草に火をつけた。 じっとこちらを見つめ ふっと小さく笑う。 「佑。丸見えだからパンツ履いて。」 「えー。めんどくさい。」 「もう。。今 持ってくるから。。ああっ。 すいません。。もうお終いです。。痛いっ！ 引っかかないで下さい。。ひいっ！」 あーあ。 ありゃ かなりやられたな。 軟膏あったっけ。。 頭の中で薬箱をひっくり返し 在庫を思い出しながら デカイ体で 必死に逃げ惑う姿がおかしく つい くすくす笑った。