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カフェオレ㉟
スースーと規則正しい息遣いが聞こえ
佑さんの顔を覗き込むと
疲れた表情で 目を瞑り 眠ってしまっていた。
・・ショックだったんだな。
あんなに取り乱して。。
佑さんがあんな風になるなんて。
でも このままじゃ風邪を引く。
起こさないように抱きかかえ 立ち上がり座敷に戻り
窓を閉め 佑さんの部屋へ向かう。
襖を開けて中に入り ベッドに寝かせようと
横たえると 俺の襟元をぎゅっと握っていたのか
そのまま自分も転がった。
ああ。まずい。。
離れようとすると 細い腕が無意識に
するっと俺を捉え 回した手で ぎゅっと
背中のシャツを握られる。
・・参ったな。。
泣いて赤くなった鼻をちょんと突くと
むず痒そうに少ししかめ それでも目を開けない。
寝顔は少し幼くて。
可愛い。
いつも外では凛としていて
しっかりしなきゃって頑張っているのは
最初からわかっていた。
今までどうしていたのか。
見ていなくてもわかる気がする。
優しくて 誰にでも愛情を持って接していて。
でも。自分の事は。。
その寂しさを埋めてあげたい。
俺がそれをしてもいいのなら。
「佑を傷つける為に来たんじゃねえよな。」
違います。
俺はこの人を守りに来た。
はっきり そう言いたかった。
絶対にもうこれ以上傷つけない。
その為にここに。
会って 一緒に毎日を過ごし 確信する。
ずっと抱いていたこの気持ちは
やっぱりそうだったって。。
春は布団を掴んでかけると
佑を柔らかく抱きしめる。
腕の中で 幸せそうに表情を緩める佑の頭に
唇をつけ 目を瞑った。
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