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第5章の4←居心地の悪くなるマリアの君。
インディーズのミュージシャンがZENNとフォトセッションなんて、いくら引き立て役でも絶対に無謀なことだった。
いくらスタッフの腕が良くても、二人の力量の差は歴然としている。
それが目につき、かえってMOONにはマイナスの評価になってしまうかもしれない。
でも、これは、業界の中ではともかく、雑誌を買うロック・ファンにはかなりのインパクトを与えられるのではないだろうか。
「撮影はいつですか? 」
「引き受けてくれるのか。」
さっそくZENNから指令が下り、マリアのスケジュールはさらにぎゅうぎゅうに詰められ、撮影に間に合わせられた。
そのしわ寄せを受けるのはもちろん他のメンバーだったが、彼らは、表面上は何も言わなかった。
だが、ミーティングの時、永山や村垣から、マリアの表紙撮影と、ギルティーズでのセッションのギターの話が出た時は、確かに気まずいものが感じられていた。
なぜ、マリアばかりなのか。
だが冗談にもそれを口に出したメンバーはいなかった。マリアは居心地の悪さを感じた。
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